キャラクター

  • 2016年06月27日

小説のプロットを立てる時、同時にキャラクターも考えます。
どんな性格か、年齢、家族といった基本的なことは勿論、細部も作っていきます。
どんな家や部屋に住んでいるか、普段どんなファッションをしているかも大事な要素です。
容姿も決めますが、どこかに絵を描いたりはしません。
私の頭の中に像を収納するだけです。
どんな趣味かを考えるのは結構楽しい。
バードウオッチングにするか、ボウリングにするか、あれこれ考えます。
そしてこれにしようと決めたら、そこから猛勉強。
大抵その趣味をもつ人たちのための雑誌や本が出ているので、それらを買い漁り、それのどういった点が魅力なのか、どういうところが難しいところなのかを学びます。
これ、主な登場人物の数だけありますから、勉強するまとまった時間が必要になります。

趣味雑誌はとにかく面白いのですが、特に後ろのページがいいんです。
たとえば読者からの質問に、誰かが回答するページ。
そんなことが疑問なんだぁと、まず質問自体にびっくりし、それに真面目に解決策を提示してくれていることにまたびっくり。
その趣味の人たちがどういったことで困り、それはどうしたらいいのかといったことまでわかるので、とても勉強になります。

こうした雑誌の広告ページも興味深い。
以前ボウリングの専門雑誌を見ていたら、マイボールを作ってくれるショップの広告を発見。
さらにグローブのオーダーをしてくれるショップも。
言われてみれば、プロボウラーって手袋してますよね。
その道を突き詰めていくと、やはりオーダーという領域に入っていくんでしょうかね。

バードウオッチングの専門雑誌には、どこにどの時期に行けば、どの鳥を見られるといった情報が載っていました。
さらに鳥の生態が詳細に紹介されています。
あるんじゃないかと思って探したら、やはりありました。
読者の投稿写真を紹介するページが。
鳥を愛する人は、その姿を形に残したいと思うはずとの読みが当たりました。
ということは・・・と探すと、ありましたね。
双眼鏡の広告が。
カメラの広告も。当然望遠レンズの広告も。
趣味を突き詰めていけば、必要な道具が欲しくなるってもんです。
やっぱりねと思いながら見ていると・・・録音機材の広告ページと出くわしました。
高感度だというそのマイクで、鳥の鳴き声をクリアに録音できると謳っています。
どうやら、鳴き声を録音したくなる人がいるようです。
そこまでは想像できていませんでした。
趣味の世界は奥が深いです。
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新刊「総選挙ホテル」に登場する支配人の趣味がバードウオッチングです。
小さな鳥が子育てをしているのを眺めるのが好きで、朝早い時間に公園でバードウオッチングを楽しみます。
支配人が働いているホテルは上手くいっていなくて、大きなストレスを抱えています。
売上が減っていくなかいろんなことをやってみても成果が出ず、焦りを募らせます。
そんななかしばし、鳥の営みを見つめ、心を潤します。
登場人物の趣味は、時にその性格や人生観を表してくれます。
支配人の人間性が表現できていればいいのですが。

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