小説の装丁

  • 2016年07月25日

小説の装丁は大事です。
色んな役割を担っているから。
小説は中を読んでみなくちゃわからない。
こんな作品ですよと知らせて、その世界へいらっしゃいと誘う必要がある。
これが装丁の役目の一つ。
また目立ってなんぼという点もあります。
書店にはたくさんの本が並んでいるので、そこでしっかりと存在をアピールしなくてはいけない。
アイキャッチャーとしての役目もあるのです。

目立ちたいなら、すんごいインパクトのある大きな文字にするとか、蛍光色を使うとか、デコっちゃえばいい。
でもこうしたアイデアの場合、コストや配送などの様々な問題をはらんでいて、実現させようとするといくつものハードルを超える必要が。
タイトルを筆文字なんかでどーんとでかくするというのなら、コストはかかりませんが、作品が穏やかで静かなトーンだったりすると、作品とギャップがあり過ぎてよろしくない。
装丁のデザインには正解がないだけに、関係者は頭を捻り試行錯誤します。

「総選挙ホテル」では白地に人物のイラストが並ぶという装丁になりました。
イラストはほんわかとした印象のものです。
小説を読み終わった方が、今一度装丁を見て、あれ? これ、後藤さん? なんてイラストの中に登場人物を探してもらえたらいいなぁと思います。
ってことは、社長はどれ? これ?
なんて。
P1010612
お仕事小説として読んでいただいても勿論いいのですが、それぞれの人間ドラマを描く中心にホテルがあるといった読み方をしていただいても。

「総選挙ホテル」は私にとって20作品目となります。
年齢、仕事、価値観、家族・・・様々なキャラクターが登場しますので、そのどれかに感情移入して読んでいただけるのではないかと思っています。

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