モテる女

  • 2017年01月23日

初めて彼女と会ったのは、彼女が二十代の頃。
仮にA子としておきます。
飲み会に、友人の彼女として参加していました。
その友人はA子を自慢したいのか、仲間の集まりにしばしば連れて来ましたが、当のA子は楽しそうではなく、友人の隣でじっとしているといった印象でした。
その後、二人は別れたという噂が流れました。

しばらくして別のグループの集まりに、A子が参加しているのを発見。
先の仲間とは重なっている人たちがいて、その中の男性が誘った様子。
その後、その男性とA子は恋人同士に。

ふと気が付くと、女子会にA子はいない。
それは誰も誘わないから。
飲み会でA子はいつも楽しそうではないうえ、存在感が強い方ではないため、ついメンバーから漏れてしまう。
ところが男性が主催する飲み会では、A子は必ずいる。
新彼とともに。
kappuru
その後その新彼とも別れたと聞いた時、その場にいた男性陣が全員「じゃ、次は俺」と手を上げたことをはっきりと記憶しています。
女性からすると、A子は地味な人。
外見も地味で美人ではない。
でもどうやらフェロモンがあるらしいんですね。
「フェロモンってすげぇな」というのが、その時の女性たちの感想でした。
その後A子とは疎遠に。

ところが先日、そのA子とばったりホテルのロビーで出くわしました。
A子は40代になっていました。
あれこれと近況を報告しあっているうち、A子はバツイチで独り暮らしをしていることがわかりました。
相変わらず地味な感じですが、少し頼りなげで憂いのある雰囲気は、20代の頃と変わらず。
二人で話をしていると、40代ぐらいの男性が近付いて来ました。
A子と待ち合わせをしていた男性がやって来たのです。
私はもごもごと挨拶をして、二人に手を振りました。
男性にそっと寄り添うように歩くA子の後ろ姿を見ながら、「これからもそのフェロモンでたくさんの男性たちの心を惑わすのかい?」と心の中で尋ねていました。
フェロモンって凄いんです。

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