新刊「諦めない女」

  • 2017年04月20日


新刊「諦めない女」が書店に並び始めました。

この執筆には1年以上の時間が掛かりました。
その間ずっと聴いていたのが、ラフマニノフでした。
「ベスト・オブ・ラフマニノフ」というアルバムで、「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18-I.Moderato」や「ヴォカリーズ Op.34」などが収録されたものです。

1つの作品を書く時、小説のイメージと合う1つのアルバムを延々と聴き続けます。
つまり1年以上1つのアルバムを聴き続けたということで、よく「飽きない?」と聞かれます。
飽きません。
フツーに音楽を聴くだけなら勿論飽きるでしょうが、小説を執筆中にかける音楽はちょっと違う位置づけになります。
音楽というよりは、その小説の世界にある空気のような存在になるのです。
キャラクターたちは、その空気を吸いながら暮らしています。
そして無意識。
でもなかったら、キャラクターたちは生きていけない。
小説の中のキャラクターたちと私にだけ必要な空気。
それが執筆中の音楽の役割です。

空気ほどに大事なものですから、執筆に取り掛かる前のアルバム選びは慎重に行います。
時にはアルバム選びに何日もかけることも。
ただ今回は比較的短時間で、ぴったりのアルバムを見つけることができました。
きっかけは、フィギュアスケートの試合をテレビ観戦していた時。
1人の選手が演技を始めました。
その時に使用していた曲が、ラフマニノフの作品でした。
この暗さがいいなと思いました。
それまでラフマニノフという作曲家の名前は知ってはいたけれど、曲については未知。
そこでアルバムを購入してみることに。
未知過ぎてなにを買ったらいいのかわからず困りましたが「ベスト・オブ・ラフマニノフ」というタイトルのアルバムを見つけ、まずはこれからトライしようと決意。
すると、これがイメージしている作品世界にぴったり。

雨が降る前の空のような、陰鬱な感じ。
厳かな雰囲気と、不穏さが同居しているような音楽。
そしてなんといってもドラマチック。
これよ、これ。
と、このアルバムに決めました。

「諦めない女」を読み終わった時、皆さんの胸の中にはどんなメロディーが奏でられているでしょうか。


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