お店で見送り

  • 2017年05月15日

ちょいとこじゃれたショップで買い物をしました。
手提げ袋を受け取ろうと手を出したのですが、渡してくれない。
店員は「お持ちします」と言って歩き出す。
しょうがいないので私は店員と並んで歩きます。
店の出入り口まで辿り着き、ようやく店員は手提げ袋を渡してくれる。
店の出入り口で「有り難うございました」と言う店員。
「お世話様でした」と答える私。

この儀式必要でしょうか?
手提げ袋を持った店員と店の中を並んで歩くのが、恥ずかしいんです。
私はそんなこと必要ないと思いますが、それなくちゃ嫌という方は多いんでしょうか。
これはいつから始まった儀式でしょう。
日本だけでしょうか。
それとも世界的に行われている儀式なのでしょうか。

先日あるショップに入ると、スタッフが一人事務仕事をしていました。
私としては、どうぞその事務仕事を続けてくださいなと思っています。
その方が気楽にゆっくり商品を見ていられるから。
でもスタッフは事務仕事を止めてしまいます。
そしてじっと私を見つめ接客モードに入る。
恐らくそうしなさいと誰かから言われてるんでしょうね。

私が靴店で働いていた時も店長からそう指示されました。
でもそれって、お客さんは望んでいるのかな? と疑問をもちました。
「それは違うんじゃないですか?」と面と向かって反論する勇気のなかった私は、店長がいない時に自分なりの方法を試してみることに。
ふらりとお客さんが入ってくるとわざと靴を拭いたりして、ほかのことをやっているので、あなたに集中してはいませんよといった風を装ってみました。
これが結構よかったようなんです。
ただ放っておくのではなく見てはいるので、どういう靴を手に取っているのかはわかる。
店内の商品をある程度見たなと判断してから、声を掛けます。
黒い靴ばかり手に取っているようであれば、それは5センチヒールで、その隣のは6センチヒールだなんて高さの差について言ったり、皮の違いを言ったりして情報を出す。
すると「へぇ、そうなんだ」という顔をする。
そして「お葬式に行くので黒い靴を欲しいと思ったんですけど」なんてお客さんの方が言い出して、「それでしたら」なんて会話が始まる。
これはやっぱり、気楽に店の商品を見終わった後だからだと思うんですよね。
自分でこれかな、それともこっちもいいなとある程度絞り込んだところで、どうして似たように見えるのに3千円の差があるのかといった情報が出てきたら、ぐっと買うという気持ちが強くなるんじゃないでしょうか。

当時スタッフには各自予算目標額が与えられていました。
店長がいない時にやっていたこの方法で、毎月この予算をクリアできていました。
当初は怒られないよう、店長がいるかいないかにはよくよく注意していたのですが、やがて気が緩み店長がいるのに、この方法でお客さんにアプローチしてしてしまううっかりミスもするように。
が、予算をクリアしていたせいでしょうか、店長はなにも言わなくなりました。
見て見ぬふりをすることにしたようです。

人によって望んでいることは違うでしょうから、接客は難しい。
だから店員は大変。
でも客の方も大変。
今度「お持ちします」と店員が言ったら、「いえ、結構です」と言えるぐらいの勇気のある大人になりたいです。


Copyright© 2011-2017 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.