作家のあるある

  • 2017年06月05日


小説「総選挙ホテル」はすでにお読みいただいたでしょうか?
出版元のkadokawaさんでは「角川ebook」という電子書籍の新レーベルが4月に創刊しました。
ここに「総選挙ホテル」が6月5日から登場します。
未読の方はこちらもご検討ください。

私はもっぱら紙派でして電子書籍は未経験です。
私の読書タイムは風呂場ですが、皆さんはどうなのでしょう。

昨日電車のつり革に摑まっていると、前に座っている女性が文庫本を読んでいました。
あー、見たい。
カバーを見たい。
なにを読んでいるのか知りたくて堪らない。
作家は勿論出版社で働く人たちは、この衝動に駆られるのです。

私は立っていて、その女性は座っているので、視線は上からになります。
なのでカバーは見えない。
わざとなにかを落として、それを拾うふりをして屈み込み、その瞬間に盗み見るという作戦を思い付く。
これ、1度やったことがあります。
が、持っている手が邪魔をしてカバーを見られず、舌打ちする結果になりました。

見たいなぁ、知りたいなぁとぐちぐちと思っていた時・・・女性が突如指を文庫に挟んで閉じました。
そしてキョロキョロ。
今電車がどこら辺を走っているのか確認している模様。
んー、残念。
閉じた文庫はカバーではない方が上になっている。
あらすじらしき文章が書いてあるのが見える。
が、それを読み切れるほどの視力はなし。
電車が走っている地点がわかったのか、女性は文庫を広げて読書を再開。

あー、見たい。
カバーを見たい。
と再び思いを募らせているうちに、降りねばならない駅に到着。
悶々とした思いを胸に抱えたまま電車を降りました。

時折文庫にカバーを付けて読んでいる方を見かけます。
そんな時には今回のような気持ちにはなりません。
最初っから見られないと諦めるせいでしょうか。

知ってどうする? というご質問があろうかと思います。
どうもしないんですけどね。
「へぇ。〇〇を読んでるんだぁ」ぐらいのことなのですが、なにを読んでいるのかわからないというのが、なんとも落ち着かなくて知りたくなってしまうのです。
作家及び出版社勤務者のあるあるでした。

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