競馬

  • 2017年11月23日

友人A子の夫、B男は競馬が好き。
初めて紹介された時、B男は私たち友人の前で、結婚を機に競馬はすっぱりと止めますと宣言しました。

A子が子どもを産んだので、祝いの品を持って遊びに行きました。
B男は子どもができたのを機に、競馬はすっぱり止めますと再び宣言しました。
これによって止めてはいなかったと知りました。

その後B男は30歳を機に、40歳を機に、50歳を機に競馬はすっぱり止めると宣言し続け、一向に止めませんでした。
こうなるとすっぱりという言葉が虚しく響くばかりです。

意外にもA子はB男に競馬を止めてくれと言ったことは一度もないとか。
だとすればどうして自ら宣言ばかりするのかとA子に問うと、「罪悪感があるのかしらねぇ」と首を捻りながら答えました。

久しぶりに友人たちの集まりがあり、そこにB男も参加しました。
これまでいくらぐらいドブに捨てたのか教えてくれとC子が尋ねました。
「月に2万円として1年間で24万円。25年以上やっているので600万円ぐらいですね」とB男は言いました。

かなり控えめに見積もっているはずなので、本当は倍ぐらいいっているのではないかと私は見ました。

600万円でも1200万円でも結構な金額です。
夫婦の資産に影響がある金額です。
女性陣たちから「おいおい」という声が上がるや否や、B男は語り出しました。
「皆さん、こう考えてください。自分は馬を飼っているのだと。その馬を一時的にJRAに預けている。餌代は支払わなくてはいけない。この餌代を毎週JRAに渡している。そう考えましょう。そうするとですね、馬を見る度、俺の馬をちゃんと育ててくれて有り難うという気持ちになります。俺は動物が好きなんです。馬を愛しているんです。そういう優しい男なんです」と。

出来損ないの屁理屈を聞かされた女性陣たちから「離婚しちゃえー」との声がA子に向けられました。
それに対してA子はなにも言わず、笑みを浮かべるだけ。
ただその瞳は笑っていなかったのが、ちょっとばっかり気に掛かります。
二人に幸あれ。

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