座布団

  • 2017年11月30日

明治座にお芝居を観に行きました。
黒木瞳さん主演の「京の蛍火」というお芝居です。
1階の座席すべてに座布団が置かれていて、そこに「これは〇〇製品で、敷いてお座りください」と書かれている。
それじゃと、その座布団を敷いて座ってみる。
特段なにも感じない。

お芝居が始まって1時間。
あれ? お尻が痛くないぞと気付く。
観劇に行くと途中でお尻が痛くなっていたことを思い出す。
いつからそう感じるようになったのかはわからない。
観劇には小学校入学前から行っていたのですが、当時お尻が痛かった記憶はないので、齢を重ねる途中のどこかで、お尻が弱くなったのでしょうか。
それとも座り方が下手になったとか?
理由はわからないのですが、とにかく観劇とお尻の痛みはセットになっているものでした。

観劇が終わって立ち上がる。
お尻が痛くない。
いいわ、これ。
と、帰宅後すぐにその座布団をネット検索。
座布団ではなくクッションという名称で売られていました。
値段は1万円弱。
高い。
座布団に1万円は出せない。

諦めて数日が経過。
DVDで映画を観終わった私は、トイレに行こうと椅子から立ち上がる。
お尻が痛いので左右にフリフリして軽く運動。
更に拳でお尻をトントンと叩きながら歩き始める。
そこではっとしました。
映画を観た後、私は毎回こんな風に痛みを感じていたのです。
が、歯を食いしばるほどの痛みではなく軽微だったため、しょうがない、映画1本観たしなと自分を納得させていたのでした。
あまりに日常と化していたため、この不快さに鈍感になっていました。
劇場で観劇した時だけでなく、私は自宅でもお尻が痛かったのでした。
そういや、指圧マッサージ店で「お客さん、お尻がこってますね」と言われたことがあったっけと、すっかり忘れていたエピソードを思い出す。

その時胸に真っ直ぐ落ちて来たのは、あの座布団を欲しいとの気持ち。
1万円は高い。
だが1年間毎日使ったとすると、1日27.3円になる。
などと1万円を365で割ってみたりして、それほど高くはないという方へ気持ちをもっていこうとする。
1年間でダメになるとは考えにくく、2年間使ったとしたら1日13.6円だなどと、必死に計算している自分が不憫になる。
買いなさい。
と、自分の中で勝手に作り上げた欲望に甘い菩薩が言う。

うん。買う。
と、ようやく心を決めて購入。
それがこちら。

明治座にあったのより一回り大きい感じですが、座り心地は一緒で、長時間座っても、全然お尻が痛くならない。
とても気に入っています。

それにしても・・・明治座の座席に置くというのは、恐らくこのメーカーの戦略なのでしょう。
実際に座れば良さがわかって貰えるとの意図だと思いますが、これ、結構凄い戦略だと思います。
メディアなどで素晴らしさを謳った広告を見せられても心を乱されなくても、こんな風に実際に体験させられてしまうと、心が揺さぶられてしまうのでは。
このメーカーの手法に感心しました。


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