食事会の席で

  • 2018年03月15日

食事会の席で。
少し離れた位置の人と目が合う。
彼はボストン出身の米国人。
その日が初対面でしたが、物凄く達者な日本語を話すというのは、漏れ聞こえてくる会話から窺い知ることができました。

で、目の合った彼がウインクしてきた。

ウインクの意味がわからない。

日本語が達者ではあっても、日本人にはウインクの習慣がないことは知らないのでしょうか。
「あなたが最後にウインクしたのはいつですか?」と日本人に尋ねたなら、恐らく全員が遠い目をしてから、首を傾げると思うのです。
したことがあるのか、ないのか、あったとしたらそれはいつだったかを思い出せない・・・それがウインク。

そういえば海外旅行の際に、しばしばウインクをされましたっけ。
道を尋ねたら、軍人が。
料理を注文したら、ウエイトレスが。
お土産を買おうとしたら、店員が。

なんとなく冗談めいた「なんつって」的なことを言う時に、ウインクしてきてるような気がしました。
言葉がわからないので、あくまでも私の勝手な受け取り方なのですが。
多分悪意はない。
どっちかというと親しげな感じ。

ウインクをされた場合、どうしたらいいのかがわからない。
ウインクを返すのが礼儀なのでしょうか?
やりつけないので、くしゃみ顔になるぐらいで、ウインクだと相手にはわからないかも。
海外旅行の時には、ウインクされたらにっと笑ってみせて、その場をしのぎました。

席が離れていて、話をしていた訳でもない米国人のウインクはどう解釈すれば?
「楽しんでる?」と聞かれたのでしょうかね。
だとしたら「うん、楽しんでるよ」と答えるには、どういうリアクションが正解なのでしょう。
わからない私は、結局不自然な間を置いた後、にっと笑ってみせるという海外旅行の時と同じ行動を。
すると彼は自分のグラスを持ち上げました。
なんだ、それ。
席が離れているのに乾杯しようということなのか?
私はおずおずと自分のグラスを持ち上げて、ぶつけあうかのようにエアで動かして、ひと口飲みました。
なんだこれ。
国際交流の難しさに直面した夜でした。

ライブハウスで

  • 2018年03月12日

友人A子は10代の頃から音楽が好き。
聴くだけでなく、自身でピアノを弾くし、ギターも弾く。
よくコンサートにも出掛けていました。
A子の自宅にはレコードやCDが大量にあったことを覚えています。

A子の歴代の彼氏たちは皆音楽好きで、飲み会などで音楽の話になると、あーだこーだと意見や感想をぶつけ合っていましたっけ。
そうした話についていけない私は「へぇ」といった程度の薄い興味しかもたず、ここぞとばかり飲み食いに集中するようにしていました。

そんなA子はやがてOLになり、結婚し、母ちゃんになり、独身に戻りました。
そしてしばらくご無沙汰していた音楽と、向き合うようになったそうで。
ライブハウスで演奏するから来てよと誘われました。
花を持ってライブ会場に行くと、ステージにはピアノとドラムの他には椅子が1つあるだけ。
予定時刻から少し遅れてステージにA子が登場。
ピアノの前に座ります。
ドラムに1人が着き、バイオリンを持った人が左端に立ちました。
そして1つあった椅子には、アコースティックギターを持った人が座りました。

どんな音楽なのだろうと思っていると、1曲目が始まりました。
皆が知っている曲でドーンと盛り上がってとなるのかと思いきや、オリジナル曲を演奏しています。
それがどんな曲かと言いますと・・・環境音楽っぽい。
人間ドックでMRI検査を受ける時、動作音を遮断するため着けられる、ヘッドフォンから流れてくる音楽のような感じ。
毎年人間ドックで良く言えば優しい、悪く言えば摑みどころのない音楽を聞かされる度に、もう少しノリのいい曲に変更して貰えないだろうかと思っていました。
ノリのいい曲だと検査に悪影響が出るのでしょうか?
薄い検査着を着せられ、機械に入れられているという状況下にあって、癒しの音楽は全然心に響かないのですが、それは私だけでしょうか。

A子が好きだった音楽はロック系との記憶があったので、てっきりそういう類の曲だと思っていましたが、まさかの環境音楽系。
そうとは思わず、やや風邪気味だった私は、家を出る前に風邪薬を飲んでいました。
おわかりですね?
眠気が私を襲うのです。
1曲目からはまずいってと、私は自分を叱咤します。
ですが、眠い。
太腿を叩いたり、コーヒーを飲んだりで、なんとか1曲目を乗り切りました。
が、2曲目もやはり1曲目とほぼ同じ曲調。
どうしてこんな前の方の席に座ってしまったのだろうと後悔するも、今更席を移動する訳にもいかず、太腿を叩き続ける。
しかしながらやがて眠気の方が勝利。
1度「おはようございまーす」とA子の声を耳にしたような気がしましたが、その前後の記憶はなし。

拍手の音に驚いて目を覚ました時には、A子がいくつもの花束を抱えて、ステージの中央に立っていました。
どうやらライブは終わったようです。
爆睡してしまった私はA子に合わせる顔もなく、受付を手伝っていた人に花束を渡すと、そそくさと退散しました。

私に残された選択肢は2つ。
寝てませんと嘘を押し通すか、寝たのを認めて風邪薬のせいにするか。
迷っているうちにA子からメールが。
「私たちが目指しているのは、心を解放する音楽なので、ライブ中に寝てくれるのは嬉しいことでした」と書いてありました。
おとなー。

様々な経験をするうちに、好きな音楽が変わったということなのでしょうか。
小説や映画でもこういうことはありますよね。
若い頃読んだ時にはちっとも面白いと思わなかった小説が、年を重ねて再読してみたら、心に響いてきて号泣した・・・なんてことがありますから。

今回の教訓。
友人のライブの前に風邪薬は飲まない。
風邪薬を飲んだ時には、後ろの方の席か、壁際の席にする。

サイズ探し

  • 2018年03月08日

黒のクロップドパンツを買おうと思い立つ。

私がパンツを買うのは結構大変な仕事。
何故ならば太腿が極太だから。
私が穿けるほどの太さのあるパンツは、滅多にないのです。
太腿の太さを基準にパンツを選べば、ウエストがブカブカに。
ウエストを基準にパンツを選べば、足が入らない。

服を何度か買っているサイトで探してみました。
が、そこに記されている太腿周りのサイズは、私のより2センチ以上短い。
やはり何度か購入経験のある他のサイトも見てみましたが、そっちでは太腿周りのサイズの記述がない。
ウエスト、ヒップ、股上、股下、裾幅の長さは書いてあるのに、太腿周りの記述はない。

こうした時に縋るのが通販専門ブランドのサイト。
そもそもカタログ通販からスタートしているところでは、サイトでの表記がとっても親切。
太腿周りのサイズ表記がないパンツなど1本もない。
そこで見つけました。
私の極太太腿が収まるパンツを。
買おうと思ったら・・・ない。
5サイズ展開しているうち、私のサイズだけ売り切れ。

残念というのはこういう時に使う言葉。
しょうがないので、再入荷したらメールで連絡してくれるサービスに申し込む。

1週間後。
再入荷したとのメールが。
喜び勇んでサイトにアクセスすると・・・売り切れている。
は?
メールをよく読んでみると・・・予約購入や取り置きではなく、再入荷メールの場合は、入荷した段階で連絡するが、同時にサイト上でも情報がアップされるため、タイミングによっては他の人に売れてしまう場合もある云々と注意書きが。
メールを受信したのは午前11時。
そのメールを私が読んだのが午後5時。
読了後すぐにアクセスしましたが、サイトアップからは6時間経っていた。
この6時間のうちに他の人に買われてしまった・・・みたい。

マジですか?
先日会ったファッション業界の方は「今は服が売れない」と嘆いていらっしゃいましたが、私の周囲では、争奪戦ともいえる状況になっているのは何故なんでしょう。

そしてクロップドパンツを探す旅は今も続いています。
早くこの旅を終えたいもんだと思っています。

時刻設定

  • 2018年03月05日

食事の片付けをしている時のこと。
ふと、炊飯器のモニター画面に目がいく。
そこには現在の時刻が表示されているのですが、ちょいとおかしい。
スマホに表示された時刻と比べてみると、5分程進んでいる。

その日の白飯はフツーに炊けていたので、時刻だけおかしくなったのだろうかと疑問を抱きながら取扱説明書を開く。
正しい時刻に設定をし直す。

それから約2週間後のこと。
ふと、炊飯器のモニター画面に目がいく。
また5分程進んでいる。

そういえば・・・と2週間前のことを思い出す。
その後炊飯は出来ていたので、すっかり忘れていましたが、時刻表示がおかしかったのでした。

何故我が家の炊飯器は生き急ぐ?

炊飯はフツーにできていることからすると、ご飯を炊くという行為と、時刻を表示するという機能は別物なんでしょうか?
家電製品にとって時刻を正確に刻むのは難しいことなのでしょか?

我が家のエアコンのリモコンはのんびり屋さん。
1ヵ月で1分ぐらい遅れる。
設定をし直すのがメンドーで放置しておくと、半年後には6分。1年で12分ちゃんと遅れる。
エアコン自体はフツーに稼働しているので、また同じ疑問が。
部屋の温度を上げたり下げたりする本来の行為と、時刻を表示するという機能は別物なのかという疑問の先には、家電製品にとって時刻を正確に刻むのは、難しいことなのかという問いが生まれる。

素人が想像するに、白米を炊くのは結構大変そう。
プログラム通りに強火にしたり弱火にしたり。
予約設定した炊きあがり時間から逆算して「それじゃ、そろそろ始めますかな」と判断し、「まず強火で行くから」「オッケー」「そろそろ弱火にして」「オッケー」・・・とそこそこ大変な仕事をチームでしている感じがする。
エアコンも「あと10度上げろってよ」「マジですか? 無理っすよ」「断らねぇのが俺らのルールなんだ」「そのルール変えて貰えないっすか?」「無理だね。こちとらそれで三十年やってきてるんだ。ぐだぐだ言ってねぇで、さっさとやっちまおうぜ」・・・なんて、徒弟制度が残った中で仕事をしていそうな気がする。
一方時刻を刻むのは、チームの中に今一つ溶け込めていないオタク系。
多分眼鏡を掛けている。
皆が心を一つにして働いている横で、自分だけが違う仕事を担当している。
なので、仕事が終わった時に皆とハイタッチしたり、達成感を味わったりができない。
それでつい仕事に対する情熱を失ってしまって、時刻を早く刻んでしまったり、遅れてしまったりしてしまう・・・。

なんて妄想を広げたところで、原因がわかるはずもなく。
原因がわからないので対応の仕方もわからない。
時々自分で時刻設定をし直すしかないようです。
生き急ぐ炊飯器と、のんびり屋のエアコンのリモコンと、なんとか上手に付き合っていきたいと思うばかりです。

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