映画「エール!」

  • 2018年05月07日

今日は面白かった映画のご紹介。

まずは「エール!」。
フランス映画なのですがちゃんとストーリーがある。
そしてエンタメになっていて、きちんと結末ですっきりできるような作りになっています。
と、ここまで書いてくると、どんだけ普段フランス映画で苦労してんだろうと思われるかもしれませんが、そうなんです、苦労しています。
クレジット映像になった時「これで終わり?」と叫ぶことになるのは、大体フランス映画。
ちゃんとした結末が提示されず「で、結局、〇〇は捕まったの?」とか「〇〇はどっちの男を選んだのよ?」といった大事な点について、わからないままクレジット映像になってしまう場合が多い。
ところがこの「エール!」はフランス映画でありながら、正当なエンタメ作品になっていて楽しめます。

聴覚障害をもつ家族の中で唯一健常者の少女が、歌手になる夢をもち、その夢に向かって頑張る姿が描かれています。
印象に残っているのは家族で抱き合うシーン。
音のない世界に住んでいる彼らは黙って抱き合います。
そのシーンに音はありません。
気持ちを表現するのは、その抱き合う力だけ。
だから強く強く抱き合う。
胸に迫って来るシーンでした。

次にお勧めするのは「ロブスター」。
ギリシャのヨルゴス・ランティモス監督の作品です。
映画「籠の中の乙女」の監督です。
「籠の中の乙女」は大変強烈な作品で、観終わった時、凄い才能の映画監督がいるもんだと感嘆しました。
その監督の作品ということで「ロブスター」はかなり期待しながらの鑑賞。
そうした期待を裏切らない凄い作品です。
「籠の中の乙女」同様ぶっとんだ設定。
独身者が迫害を受ける世界。
45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられてしまう。
ただしなんの動物になるかは自分で決められる。
って、どういうルールだよと、思わず声を上げたくなるような設定。
この不思議な設定の中説明のようなものは一切なく、淡々と物語は進んでいきます。
そんな中にもくすっと笑ってしまうような可笑しみがあったり、時には背筋が凍るような恐ろしいシーンがあったりします。
人間が決めるルールの脆さと、残酷さについて描かれている・・・のかもしれません。
でもこの映画の場合はメッセージとか、テーマとか、そういったことは考えず、展開していく映像をシンプルに受け取ればいいように思います。
物凄い監督が、その才能を溢れさせている映画です。


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