花火と船

  • 2019年08月08日

ライター時代、今ぐらいによく書いていたのは花火大会の記事でした。
花火大会の情報を、開催前に発売される雑誌で掲載するため「こういう大会でした」といった報告形式ではなく、「こういう大会になります」という予想形式での執筆。

それぞれの大会主催者から提供される情報だけで、違いや特徴、お勧めポイントなどを書き分けなければならず、大変腐心しました。
どれも花火で一緒だってぇのと、文句たらたらで書いていた記憶があります。

この時期に花火大会の次に多かったのが、船の特集でした。
涼しげな感じが、夏に組む特集としては好評だったのでしょうか。

取材のため屋形船や観光船に乗りました。
確かに水面を渡る風は気持ち良く、船の上で暮らそうかなぁと思ったことも、一度や二度ではありませんでした。

原稿を書くため航路を調べてみると・・・地下鉄路線図かと見紛うぐらいの、たくさんの航路が入り乱れていることを知りました。

当時はスマホや、乗り換えナビをしてくれるアプリも存在していませんでしたから、目的地にどうやって行くかを考える時には、パソコンでネット検索。
これで問題ない場合もあるのですが、移動中に電車が止まったなんて時には、どうリカバリーしたらいいかは、己の勘と駅員の知識が頼りになる。

電車内で「〇〇駅で人身事故が発生したため、全線運転を停止しています。復旧まで時間が掛かる見込みです」とアナウンスが入ったりすると、乗客たちが一斉にシステム手帳を広げて、そこに挟んでいる路線図を見つめる・・・なんて光景が。
こんな時、電車をどう乗り継げば目的地に行けるのかを考える訳ですが、匠になると、そこにバスという選択肢をもっていたりする。
更にそこにタクシーという選択肢を加える猛者も。

私などは電車だけで精一杯。
しかも三回も乗り換えてやっと目的の駅に辿り着いてみたら、止まっていた電車は再開されていて、乗っていた電車でしばらく待っていた方が早かったとわかり、悔しい思いをする、なんてこともしばしばでした。

複雑な航路を見た時に閃いたのです。
バスやタクシーじゃなく、船という予備手段をもったなら、私は最強になるのではないかと。
匠や猛者を超えるな、と。

そこで航路を記した紙をシステム手帳に挟み、外出するように。
ここまではナイスなアイデアだと思っていたのですが、いざそういう場面に出くわした時に、ちょうどいい航路は・・・なかった。
結局、リカバリーをするために船を利用することはありませんでした。
現在使用している乗り換えアプリでも、船を提案されたことはないので、このアイデアは難しいのかもしれません。

東京都が「通勤船」の事業化を検討しているとか。
晴海と日本橋の間で船通勤の社会実験をしたそうです。
リカバリーの時にではなく通勤に利用するというのは、アリかもしれません。


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