単行本「たそがれダンサーズ」が発売になりました

  • 2019年09月09日

単行本「たそがれダンサーズ」が発売になりました。
本日から書店に並び始めます。
場所によっては数日ズレることもあるようですので、もし店頭になかったら、書店員さんに入荷日を確認してみてください。

「たそがれダンサーズ」には様々なおじさんたちが登場します。
これまで最高の人生を送ってきました・・・なんて人はいない。
皆が歩いて来た人生は、それぞれが願っていたものとは違っていて、不満を胸に抱えています。
へこんだり、拗ねたり、怒ったり・・・そんな毎日。
そんな彼らが社交ダンスと出合って・・・さて、どうなりますか。
本を開いて小説をお楽しみください。

とても趣きのある装丁にしていただきました。
奥行きと明るさが絶妙な配分でミックスされた装丁には、強さと同時に柔らかさも感じさせてくれる・・・と、私は感じていますが、皆さんはどう思いますか?
描かれている人たちの足がぴーんとなっているのも、好きなところのひとつです。
気持ちとしてはそれぐらい足が真っ直ぐ、そして高く上がっているんでしょうね、きっと。
実際は全然違うんでしょうが気持ちとしては。
大事です。気持ち。

小説にはおじさんたちだけでなく、女性たちもたくさん登場します。
出番は少ないのですが、それぞれがとても個性的で愛すべき人たちです。
彼女たちにもぜひ注目を。

この小説を完成させるまでには、たくさんの方たちのサポート、ご協力をいただきました。
有り難うございました。

ずっと記憶の底に埋もれていたのですが、「たそがれダンサーズ」の執筆のための取材中に、ふと思い出した人がいました。
高校生の時にバイトしていた喫茶店で一緒に働いていた、先輩女性のことです。
確か息子さんが私と同い年だと言っていましたから、母と同世代ぐらいだったでしょう。
勤務を終えた彼女が、とても楽しそうに帰り支度をするのを何度も見掛けていたので、ある日、これからどこかへ行かれるんですか? と尋ねました。
すると彼女はにこっとして「社交ダンスを習っているの」と言ったのです。
へぇといった顔をする私に彼女は続けました。
「私はね、社交ダンスのために生きているの」と。
そこまでの気持ちでやっているんだと、私は驚きました。
そして「あなたもそのうち夢中になれるものを見つけられるわよ」と言うと、手を振って喫茶店を出て行きました。
オーガンジーのスカートを翻して颯爽と歩いて行く後ろ姿を、私は随分と長いこと眺め続けました。
その先輩は今、どうしているでしょうか。
今も社交ダンスのために生きて、楽しんでいたらいいなと思います。
夢中になれるものがある人生は素敵ですよね。


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