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ハタラクオトメ

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  エピソード  

「日経ビジネスアソシエ」さんから、連載のオファーをいただきました。
どういった小説でも構わないという、大人な感じのオーダーでした。
なんでもいいといわれても、ビジネス雑誌でノワール小説を書いてもねぇと、私なりに悩みました。

「日経ビジネスアソシエ」さんの読者傾向をお聞きしたところ、8割近くの方が、製造業勤務だとわかりました。
ならばと、読者の方たちと同じように、メーカー勤務の人たちの話にすることにしました。
メーカーといっても、星の数ほどあります。どんな業種にしようかと考えました。

読者のほとんどがよく知っている物で、ある程度構造の想像がつく物――。
腕時計を思い付きました。
以前から、男性と女性では、腕時計に望むものが大きく違うように感じていました。その差も面白いと思いました。
私は金属アレルギーで、腕時計はしませんので、知識はほとんどありませんし、こだわりもありませんでした。
そこで、本や雑誌で勉強をしました。
さらに、時計メーカーの工場を見学させていただく機会をいただきました。

工場見学中は、テンションが上がりっ放しでした。
見学者をたくさん受けいれているその工場には、見学者用に、ルートが確保されていて、所々には、部品を顕微鏡で覗けるコーナーなどもあり、楽しめる工夫がされていました。
すべてを手作業で行う部屋では、職人さんの手元を映すためのカメラが設置されていました。見学者たちは、その職人さんの手元を、隣の部屋から見られる仕掛けです。
ピンセットで小さな部品を組み込んでいく作業を見ていると、いつの間にか、こっちまで、息を凝らしています。
この時のわくわく感は、小説の中で、新入社員たちにも体感してもらいました。

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