文房具

  • 2013年07月18日

引き出しを開けたら、こんなものが。
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ポストの形をした消しゴムです。
恐らく、年賀状かかもめーるを郵便局でまとめ買いした時にでも、貰ったものでしょう。

それで、ふと思い出しました。
学生時代に、私がずっと同じ消しゴムを使い続けているのを見た友人が、「これ、何年もの?」と聞いてきたことを。
私は首を傾げながら「思い出せないぐらい、何年も使っている」と答えると、「凄いね」と言われました。
当初、なにが凄いのか、よくわからなかったのですが、どうやら、消しゴムというのは、可愛いのを見つけたら、即、買うという代物であった模様。
時代はバブルでしたしね。
従って、ペンペースの中の消しゴムはしょっちゅう変わっているという女子が多かったようなのです。
私は、消しゴムに一切興味がなく、文字を消せればそれでいいと思っていたので、すでに持っているのに、さらに買うという発想には至っていませんでした。

その反動でしょうか。
「嫌な女」という作品では、徹子という登場人物を、文房具に目がないという設定にしました。
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ただし、可愛いから買い集めるというのではなく、盛り込まれた新機能に感心し、つい買ってしまうという集め方です。
「嫌な女」を発表した後、何人かの方から、弁護士の徹子なら、贅沢三昧できるだろうに、文房具に目がないという設定が庶民的で、好感をもてたといった感想をいただきました。
へぇ、そんなところに? と驚きました。
構想段階から、徹子には文房具収集の趣味があるという設定にしようと決めていたのですが、残念ながら私には知識がありませんでしたので、執筆前に本などを購入し、猛勉強。
日本の文房具の歴史を勉強してみると、そのこだわりや時代背景など、なかなか興味深く、楽しい勉強期間となりました。
そして、執筆を終えた頃には、なんだか徹子から影響を受けたようで、以前より随分、文房具が好きになっていました。
最近では、ショッピングビルなどに行っても、一番時間をかけて見るのは、文房具売り場だったりします。
自分の創りだしたキャラクターから影響を受けるというのも、変な話なのですが。
文庫「嫌な女」は、書店等で発売中です。
多くの皆様方からの愛とサポートを受けている様子。
どうもありがとうございます。

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