朝食で

  • 2016年11月14日

皆さんはどんな朝食を摂っているのでしょう。
友人によれば、朝食を見れば、その人の人生感がわかるとか。
そう言われると、自分の朝食を発表するのが躊躇われます。
が、敢えて挑戦すると・・・。
p1010639
ある日の朝食の写真です。
スコーンとマフィンと野菜ジュース。
茶色っぽくてあまり美味しそうには見えないのですが、それは写真を撮った私の腕が悪いせいで、実際は美味しいです。
牛乳、卵を一切使っていないスコーンとマフィンで、通販で購入しています。

自分でやってみるとわかるのですが、牛乳と卵を使わずにスコーンやマフィンを作るのはとても難しい。
大抵とんでもないことになります。
なぜ材料費がかかるのに入れるのかといえば、その方が美味しいからなわけで、それを入れずに済まそうとすると、なんらかのアイデアや工夫が必要になります。
で、私には無理。
なので通販でまとめて購入し、冷凍庫に保存しておきます。
そして前夜に翌朝食べる分だけを冷凍庫から冷蔵室に移しておきます。
翌朝になると、スコーンはトースターで温め、マフィンはレンジで30秒温めます。
そうするとスコーンはサクサクに、マフィンはもっちりになります。

味がたくさんあるので、いろんな物を選んで買っておきます。
夜、翌朝の分を選ぶ時、ちゃんと選べばまったく問題ないのですが・・・眠かったんでしょうかね、味がダブるものを冷蔵室に移してしまうことがある。
例えば・・・朝冷蔵室を開けると、抹茶&ホワイトチョコのスコーンと、抹茶&ホワイトチョコのマフィンが並んでいたりする。
はからずも朝から抹茶とホワイトチョコ祭り。
嫌いじゃないから食べますけどね。
朝っぱらから、なんだかなぁといった気持ちになります。

友人にこの写真を見せ、私の人生観なるものを尋ねると・・・「どうかなぁ、そうだなぁ、よくわからない」と言葉を濁されてしまいました。
遠慮して言葉にできないぐらいの人生観が出ているのでしょうか。

その友人の朝食について聞いてみると、コーンポタージュスープだけの日があるかと思うと、カレーライスをがっつり食べる日があったり、ファストフードのモーニングセットの日や、コンビニのお握り1個だけの日があったりと、実にバラバラ。
そういう彼女の人生は・・・波瀾万丈。
本人は「平凡」という言葉に憧れると言っていますが、自らトラブルの中に入って行くタイプ。
彼女の人生観がその朝食に表れているような、いないような。
ほかの友人たちの朝食についても調べてみようと思います。

ホテルが好き

  • 2016年11月10日


ホテルが好きです。
私が会食の店を選ぶ担当になった時には、ホテルの中のレストランにする確率が結構高い。
これは単に好きなホテルに行きたいからというだけでなく、他にも理由が。
ホテルは最寄り駅からのアクセスがわかり易くなっていて、そこが初めての人であっても、辿り着き易い。
出口案内表示板などにも、ホテル名が入っていたりしますからね。
さらにサービスが高水準であること。
頑固オヤジや、突き詰め過ぎたオーナーシェフの店なんかだと、独特のルールがあったりして、いつ機嫌を損ねて追い出されてしまうかとハラハラしながらになってしまう。
でもホテルのサービスはいたってわかり易いので安心。

以前編集者と打ち合わせをした時のこと。
そこはホテルの中のカフェ。
コーヒーか紅茶と、好きなケーキを1つ選べる、ケーキセットのメニューがありました。
さらにそこでは、抹茶と和菓子のセットも。
編集者がその抹茶と和菓子のセットに興味をもち「本日の和菓子はなんですか?」と尋ねました。
女性スタッフは羊羹だと答えました。
「〇〇の羊羹なんです」と、その羊羹がホテルオリジナルではなく、羊羹専門店から取り寄せたものだと告白し、さらにその羊羹専門店は老舗でとても有名だとも言い、羊羹をかなりプッシュしてくる。
その女性スタッフの圧に屈したのか、本当に食べたかったからか、編集者は和菓子セットを注文。
私はマイペースを通して、コーヒーとケーキのセットをオーダー。

しばらくして、先ほどの女性スタッフが飲み物などを運んできました。
そして編集者の前に抹茶と羊羹を並べると「ご覧ください。この美しい照りを」と言いました。
思わず、じっと二人で羊羹を見つめます。
確かに照りはあるけれど、ほかの羊羹にはなく、この羊羹にだけ見られるほどの照りなのかは不明。
求められているコメントがなにかわからず、編集者と私は羊羹を見つめるだけで言葉が出てきません。
しばしの間の後「・・・照り、ですか」と編集者が口を開くと、即座に「照りです。美しいです。とても美しい照りです」と女性スタッフは主張しました。
確かに凄い照りですよねぇと乗っかった方がいいのか、羊羹は大抵こんなもんじゃないっすかとクールに指摘するか、どっちが正解なのか。
困惑する私と編集者に向かい、女性スタッフは「ごゆっくりどうぞ」と歌うように言うと去っていきました。
これは高水準でわかり易いサービスなのかとの疑問も湧きますが、私たちの対応力が低かったせいだということにしようと思います。

サービスという形のないものを商売にしている仕事は大変なんです。
マニュアルがあったとしたって、そんな予想通りの展開にはならない方が多いはず。
客たちが望むサービスは色々。
さらにそれに対応するホテルマンたちの個性も様々。
キャリアも違えば、感じ方も考え方も千差万別。
難しいですよね、サービスの仕事って。
働くことが嫌になったり、今の仕事に疑問をもったりしながらも、ホテルがしなければいけないこと、自分ができることを探す人たちが登場するのが小説「総選挙ホテル」です。

「総選挙ホテル」の重版分が11月10日から書店に並ぶ予定ですので、この機会にぜひ。

銀行のATM操作画面

  • 2016年11月07日

もう10年ぐらいになるでしょうか。
最寄り駅のロータリーにある銀行のATMを利用し始めて。
カウンターには6人ほどの行員さんが並ぶくらいの、大きな店舗の一角にあるATMコーナーです。
駅前という立地のせいでしょうか。
ATMコーナーには20台近い機械が並んでいます。
ginnkou
私が行く時は大抵店舗は閉まっていて、ATMコーナーだけが営業しています。
客の姿はちらほら見掛けられますが、並ぶようなことはほとんどなく、ATMの機械は選び放題です。
で、入口から入ってすぐの1台が開いていれば、その前に立つのが習慣に。

この機械がとてもシュールなんです。
普通通帳記入をしている間なんぞは、ぼんやりと待つだけなのですが、この機械ではそうはならない。
操作タッチ画面に釘付けになる。

男女の行員をイメージさせるイラストが画面に出てきます。
上半身姿のこの2人が、時折お辞儀をして、待たせていることを詫びてくる。
このイラストが古いのなんのって。
線が太くて直線的。
昔コンピューターが普及した当初は、滑らかな曲線が難しかった。
短い直線を繋げて曲線を描くといった感じで、その出来栄えはぎこちないものが多かった。
が、それから30年。
ソフトもハードも進化し、現実とグラフィックの境界線は曖昧になり、リアルってなんだろうと思わせるような画像や映像が氾濫する世の中に。
なのにこの機械のイラストだけは、頑固なまでにその姿を変えていないのです。
目なんて死んでいる。
子どもが描いた絵のように。
死んだ目の行員2人がこっちを見てくるのは、ちょっと怖いぐらいです。

画面に釘付けになっているうちに通帳記入が終わる・・・というのがいつものパターン。
で、ここのATMコーナーに並んでいる機械のうち、死んだ目のイラストが出てくるのは、この1台のみ。
ほかの機械では定期預金をしませんかとか、キャンペーン情報などが出てきて、ごく普通のタイプ。
入口から入ってすぐの1台だけが、何故かシュールなイラストを客に見せ続けている。
銀行の人たちは、これに気付いていないのでしょうか。
それとも、わかっていてオマケ的な感じで置いているのでしょうか。

「息子がこの絵が怖いと言うんですけど」と訴える母親とか、「この人たちは具合が悪いんじゃないのかい?」と心配するお婆さんとかは出現していないのでしょうか。

でも、と思います。
もしこの機械が撤去されるなり、新しいソフトに入れ替えられてしまったら・・・私はちょっと寂しくなるかもしれません。
死んだ目の2人にお辞儀をされるのは、怖いっちゃ怖いのですが、もうこんな古いタッチのイラストはここでしかお目に掛かれないので、遺産として残しておくべきではないかとも思うのです。
頑なに進化を拒むATM。
ピクサーさんが物語にしてくれたら嬉しいのですが・・・。

ドラマ「ダウントン・アビー」

  • 2016年11月03日

海外ドラマは一度ハマると、次のシーズンが待ちきれなくなりますね。
最近ハマっているのは「ダウントン・アビー」。
ご覧になりましたか?
賞を取りましたし、人気のシリーズなので、すでに観た方も多いかもしれませんね。

なんといっても脚本が上手い。
「ダウントン・アビー」という名の屋敷を所有する貴族一家と、その家に仕える下僕やメイドたちの物語。
1912年頃のイギリスのお話です。
時代も国も違いますし、貴族の暮らしも知らないけれど、すっとドラマに感情移入できるようになっている。
それは登場人物の動かし方が上手いから。
たくさんの登場人物がいるのに、それぞれをちゃんと動かし続けるので、観ていて飽きない。
これだけの脚本はチームで作っているのではないかと思い、ネットで調べてみたら、脚本の蘭にはたった一人の名前だけ。
びっくりです。
kizoku
優しい家長がいて、アメリカから嫁にきた夫人がいて、貴族の誇りを持ち続けている姑がいて、三人姉妹がいます。
それぞれの個性があり、仲が良かったり、苦手だったり、衝突したりで目が離せない。
さらに彼らに仕える下僕とメイドたちの人生も絡んでくる。
厳しい執事がいて、冷徹な侍女がいて、いい人なんだけど口うるさい料理長がいて、可憐な台所の雑用係がいる・・・彼らのドラマからも目が離せません。

役者さんたちも見事です。
演じているというより、そこで生きているといったぐらいの生々しさで、画面の中を動き回ります。
素晴らしいドラマです。

以前観たドキュメント映画の中で、舞台監督が言っていた言葉を思い出します。
「暖炉が20個もあるような屋敷に住んでいるという設定の人物に、観客は誰も興味をもたない。だがその人物が、孤独を抱えているとわかった途端、観客はすうっとその人物に寄り添ってくれる。その心根がわかれば、時代設定や国や文化の違いなんか吹っ飛ばして、登場人物に心を通わせてくれるものなんだ」
といった内容のことを、舞台監督は言っていました。
小説を書く時この言葉を度々思い出しています。
そして、それぞれの登場人物の心根がきちんと描けているだろうかと自答します。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2024 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.