匂い

  • 2021年04月15日

自宅マンションのエレベーターに乗ったら・・・ケンタッキーのフライドチキンの匂いが。
誰か買って帰って来たんだな。
と、思った私。
冷凍庫にチキンがあったはずだから、唐揚げにしよう。
と、エレベーターの中の残り香で、夕飯のメニューが決まりました。

以前なにかで読んだのですが、スーパーの野菜売り場で人工的に作ったカレーの匂いを薄っすら放出させると、その日はジャガイモと人参と玉ねぎ、カレールーが売れるんだとか。
わかる。
そんな匂いがしたら、夕飯のメニューはカレーライスに即決してしまうでしょう。

もしあなたがスーパーで、ふと今夜はカレーにしようと思ったなら、どこかから人工的に作ったカレーの匂いが、放出されているのかもしれませんよ。

ジャガイモや人参を買わせられるぐらいだから、へぇなんて言っていられますが、応用されたものが出現したら、ちと怖い気がします。

戦闘意欲を高める匂いとか、憎悪の感情を増す匂いとか・・・人々の心を操る手段として匂いが使われたりしたら、逆らうのは難しいかも。
考え過ぎでしょうか。

子どもの頃に母とお出かけをした時の思い出には、ナフタリンのにおいがいつも一緒でした。
防虫剤のにおいです。
今の防虫剤は無臭が当たり前ですが、昔のには強いにおいがあり、箪笥に長く仕舞っておくような服には、それがしっかりと移ってしまっていました。
だから箪笥の隅にあった、とっておきの服を着た母の横を歩く時、ナフタリンのにおいを嗅ぐことになったのです。

祖母から貰うものには、いつもお香の匂いがしていた思い出もあります。
匂い袋をバッグや服に忍ばせていたせいでしょうか。
色鉛筆や折り紙などにお香の匂いがすると、祖母を大好きだった私は、祖母を近くに感じられて、気持ちが落ち着いたものでした。
他の孫たちからは、お婆ちゃん臭いと評判が悪かったようですが。

小学六年生の時には家庭教師が我が家に来ていました。
実力より上の学校を狙っていた私を、塾だけでは間に合わないと判断した親が、家庭教師を付けてくれたのです。
その女性家庭教師が来るのは午後八時頃。
その先生からはいろんな匂いがしました。
その匂いから、その日の先生の夕飯を想像するのが、密かな楽しみでした。
んー、今日は難しいなとか、絶対に豚肉の生姜焼きだと思うなんて日がありました。
実際に今夜の夕飯はなんでしたかと尋ねることはしなかったので、私の予想が当たっているのか、外れているのかわからないのですが、想像するのが楽しかったことを覚えています。

匂い。
どうも奥が深そうですね。

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