発売まであと少し

  • 2022年06月06日

新刊の発売日、6月9日が近付いてきました。
タイトルは「残された人が編む物語」です。
ひと足早く届いた見本がこちらです。

透明感のある装幀になりました。
この装幀をとても気に入っています。

この本の中には5つの物語が収められています。
5人の登場人物たちは、それぞれが大切な人の行方を捜そうとします。
消息を追ううちにそれまで知らなかった、大切な人の生き様を聞くことになります。
そんな面があったなんてと、がっかりしたり、そんな思いでいたのかと、力になれなったことを悔いたりします。

事前に読んでくださった方たちの感想の中では「泣きながら読んだ」というのが多かった小説です。
ただし、哀しいばかりではなく、前に向かって生きていく素晴らしさも、感じて頂けるような一筋の光が射している作品です。

「新刊が出ます」と私が言うと、「どんな作品?」と聞かれます。
これに答えるのは結構難しい。
すらすらと答えられる作家さんもいらっしゃるのでしょうが、私は苦手。
「えっとぉ、あのぉ、だからぁ、小説」と答えて、「大丈夫か、お前?」と思われたりする。

どういう作品かを説明するのが難しいのは、語り出したら2、3時間じゃ終わらないぐらい長くなりそうなものを、コンパクトにまとめなくてはいけないってところ。

「テーマは?」と聞かれても、同じように答えに困ります。
小説にテーマが必要ですか? と質問に質問で答えてしまう。
難しいことは考えず「物語」に没入し、その世界を味わって欲しい。
それだけなのです。
テーマなんて、読んだ人がなにを感じたかによって変わるもの。
こちらから提案するようなものではないと思っています。

ということで、ここでどういった作品なのかを、短くお話することが出来なくて申し訳ありません。
これはやっぱり本を読んでいただくしかないと、まとめさせて頂きます。

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