本日発売

  • 2025年06月12日

今日は「残された人が編む物語」の文庫版の発売日です。
3年前に単行本として発売した小説が、文庫サイズになって登場です。
読み逃していたという方は、是非この機会にお買い求めください。

「残された人が編む物語」には5つの物語が収められています。
その中の1つを紹介させて頂きます。

樋口智裕は区役所勤め。
大学生の時に組んでいたバンド仲間の1人、岡本涼太を捜すことに。

涼太の行方が分からないため、行方不明者捜索協会に調査を依頼します。
担当の西山静香と共に、涼太の行方を追います。
そうした中で、智裕は以前2人の間で起こったことを苦々しく思い出したりします。

あの時、どうすれば良かったのか、どうしてそうしなかったのか・・・智裕はあれこれ考えます。
同時にすっかり忘れていたことも思い出します。
バンド活動をしていた頃の自分たちが、どれほど無謀な夢をもっていたか、輝いていたかということを。

バンドを解散した後の人生を振り返り、これで良かったのだろうかという疑問が浮かんできます。

果たして智裕がどんな物語を紡ぐのか。
皆さんに読んで頂けたらと思います。

智裕のように以前熱中したこと、物を、久しぶりに思い出して、酸っぱい気持ちになる・・・といった経験はありますか?

私は実家の片付けをしていた時に、ドイツ語のテキストを発見し、酸っぱい気持ちになりました。
英語も出来ないのに、何故か「これからはドイツ語ぐらい出来ないと」と思い、学校に通った時期があります。
学校の授業についていけず、個人レッスンも受けていました。
だからテキストとノートが大量にあり、使い込んだ辞書も。

あぁ、それなのに。
全く身に付かなかったという事実を久しぶりに思い出し、酸っぱい気持ちでいっぱいになりました。

「残された人が編む物語」の中で、智裕は自分が輝いていた頃を思い出します。
一緒にいた仲間たちのことも。
仲間との思い出を胸に、これからどう生きていこうとするのか。
智裕の決断を見守って頂けたらと願っています。

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