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息をつめて

息をつめて
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自著小説を語るのは難しい。
詳細を語れば語るほど、未読の人の読書の楽しみを奪っていくように思うから。
それでも敢えて挑戦して語ってみるならば・・・主人公の麻里は50歳。
ひっそりと生きています。
自分の話はせず、誰かと親しくなることを恐れている。
次々と仕事を変え、住まいも転々と変える生活をしています。
孤独な暮らしを続ける麻里。
そんな彼女の人生を描いた小説です。

麻里は最後に大きな決断をします。
このプロットを作成した時、編集者に反対されそうだなと思いました。
だから反対された時には、こう言って、ああ言ってと、説得するための台詞を考えて準備をしていました。
ところが予想に反して、編集者は反対しませんでした。
このテーマで小説を書くのなら、結末が苦いものになるでしょうと言い、私の案を受け入れてくれました。
企画が丸ごと通ったので、ちょっと驚きました。

編集者からゴーサインが出たため、プロットに沿って執筆をスタート。
そしてこの小説が完成しました。
主人公の麻里が下した決断には、賛否両論があるでしょう。
それでいいのだろうと思います。
小説はいろんな人の、いろんな人生を味わうもの。
主人公が自分では選択しない生き方をしたとしても、彼女の決断を見守って欲しいと願っています。

エピソードといいながら、ネタバレを恐れるあまり、抽象的な話ばかりになってしまったので、ここからはどんな風に小説を作っていくかを書きますね。

まずアイデアを、カードに書くところからスタートします。
私が使っているのは、名刺より一回り大きいサイズのカード。
このカード1枚に、1つのアイデアを書きます。
アイデアというのは、小説のテーマのような大きなものもありますし、カレーライスが好きというような、キャラクターについての小さなものもあります。
そうしたアイデアをとにかくカードに書いていきます。
書き終わったらカードをデスクに並べます。
そしてカードをじっと眺め続ける。
やがてこのカードに書かれたものと、こっちのカードに書かれたものを、くっつけたら面白そうだとの発想が生まれてきます。
この作業によって思いもしなかったシーンや、個性的なキャラクターが誕生します。
この作業は結構楽しい。
実際にそれを書き切れる筆力が、自分にあるかどうかはそっちのけで、アイデアを膨らませていくだけだからでしょう。

「息をつめて」でもこのカード書きから始めました。
書き終えたカードを眺めてみたら、孤独にまつわる言葉がたくさん並んでいました。
このため孤独がらみの発想が、どんどん広がっていくことになりました。
これが、孤独がこの小説のテーマの1つになった経緯です。

寂しさを抱えながらひっそり生きる女の物語を、是非味わってみてください。

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