メイク時間

  • 2025年06月30日

メイクにどれくらい時間を掛けていますか?
私は5分ぐらい。

以前はこれほどまでに短くはありませんでした。
あれやって、これやって、それからこうして・・・と、結構時間を掛けていました。

が、年を重ねるうちに、掛けた時間に見合った効果が出ていないという現実に、目を向けるように。
そして省略を覚えていく。
気が付けば5分で仕上げられるようになっていました。

色付きの日焼け止めを塗り、眉を描き足し、口紅を塗る。
以上。
ファンデーションさえ塗らなくなりました。

こんな私ですが、メイクを指南する動画を見るのは結構好き。
「毎日そんなにたくさんのミッションをこなせないよ」とツッコミながらも、テクニックを駆使していく姿に拍手を送ります。

文庫版「残された人が編む物語」には、化粧品の訪問販売の仕事をする人物が登場します。
44歳の関根由佳は、小さな子どもを抱えて働かなくてはならなくなり、この仕事を選びました。

自分の都合で働く時間を遣り繰り出来そうだったから。
それに昔から肌だけは褒められてきたので、化粧品を売る時に、説得力をもたせられそうだとも考えたのでした。

10年前に由佳の夫、卓が突然失踪。
由佳は化粧品を売りながら、夫の帰りを待ち続けています。

卓の身になにが起きたのか。
それが分かる日がやってきます。
その時、由佳がなにを思うのか。
こうしたことがこの「残された人が編む物語」に描かれています。
是非読んでみてください。

先週、近所のドラッグストアに行った時のこと。
化粧品コーナーで、真剣にメイクをする女子高生らしき二人組を見かけました。

サンプルを使ってキャッキャッとメイク遊びをしているのかと思いきや、全然違いました。
2人とも物凄く真剣。
鏡の前でアイシャドウを塗り出来を確認したり、チークを入れる場所を検討したり。
そうして時々、隣の友人に顔を見せて判断を仰ぐ。
だが友人は「違う」とにべもない。
遠慮せずに意見を言い合える仲の模様。
彼女たちはきっとメイクの腕を上げていくのだろうなと、思ったのでした。

包丁を

  • 2025年06月26日

物の捨て時が分かりません。
経年劣化ですでに役目を果たさなくなっていても、ズルズルと使い続ける傾向が私にはあります。
QOLを下げていると分かっていても、踏ん切りを付けられないのです。

タオル、靴下、Tシャツなどがこれに該当します。
そして包丁も。

買ったのはおよそ30年前。
この間、研いだことなし。

一度研ぐグッズを購入したのですが、刃先をそれに挟んでちょっと動かしたら、とんでもなく嫌な音が発生。
全身に鳥肌が立ちました。
即刻中止。
それで研がずに30年。

今年に入ってからは、キャベツすら切れなくなってしまいました。
トマトをカットするのはもう随分前に諦め、ミニトマトで誤魔化してきましたが、キャベツの代替野菜を思いつけず、さすがに寿命かなと、ようやく買え時を自覚。

ネットで調べてみたら・・・思いの外、安かった。
1万円を超えるだろうと思い込んでいたのですが、5千円以下の商品がたくさん。
そこで4千円ぐらいのオールステンレスの包丁を購入。

届いた包丁で早速キャベツを切ってみると・・・なんかギクシャク。
包丁の使い方が変になっていることに気付きました。

長年切れない包丁を使い続けてきたので、刃を当てたら前後に何度も動かして、切るのをサポートしてきました。
これがもう癖になっている。
同じように動かすと、今度の包丁は切れ味がいいので動かす先から切れていく。
スパスパと切れてはいくのですが、切り口がギザギザに。

あれっ。
包丁はどうやって使うんだっけ? という新社会人が初めて自炊をした時のような疑問が。
押すのか、いや、引くのか?
それとも真っ直ぐ下ろせばいいのか?
この年になって包丁の使い方の動画を検索することになるとは、思ってもいませんでした。

文庫版が発売された「残された人が編む物語」には5つの小説が収められています。
その内の1つ「ヘビメタバンド」には料理好きな人物、涼太が登場します。

涼太は、智裕が大学生の時に組んでいたバンドの仲間。
当時は一人暮らしをしていた涼太のアパートに、バンドメンバーがしょっちゅう集まり、彼の手料理を肴に酒を飲んでいました。

くだらない話で盛り上がり、大きな夢をもっていたあの頃。
間違いなく輝いていた青春時代でした。

バンドを解散してから連絡を取っていなかった涼太を、智裕は捜すことになります。
智裕が涼太の人生を垣間見て、なにを思うのか・・・興味をもたれた方は是非本書をお買い求めください。

昔の写真

  • 2025年06月23日

実家を片付けていた時のこと。
母親の若い頃の写真を発見。

写真の中の母親はとてもファッショナブル。
ちょっと驚きました。

手先が器用な人だったので、自分で作ったのかもしれません。
今でも充分オシャレな服を着て、サングラスなんかしちゃっている。

そういえば、晩年、デイサービスに行くための服を、これにしようか、あれにしようかと時間を掛けて選んでいましたっけ。
母親はファッションが好きだったようです。

文庫「残された人が編む物語」には「幼き日の母」という小説が収められています。
西山静香は自分の幼少時のことを鮮明に覚えています。

母親がどういう服を着ていたかといったことを。
また服をどこから調達していたかも。
それが周囲からどんな風に見られていたかも。

やがて忘れていた記憶も思い出していきます。
そうした記憶の中の自分を振り返り、静香がどんな心境に達するのか。
それを見届けて頂きたい小説です。

実家の片付けをしていた私は、自分の昔の写真も見つけました。
当たり前なのですが「若い」。
顔も身体も真ん丸でパンパン。

いくら10代だからといって、そんな短いスカートをはいて太い足を見せなくても良かっただろうにと、今になって猛反省。

サラサラな髪の写真を見た時には・・・そうか、この頃の私はこんな髪質だったのかと遠い目に。
ストレートヘアもやがて年を重ねてうねり捲り、ペヤングソース焼きそばの麺ぐらいに縮れることなど、当時はまったく想像していませんでした。

時はいろんなものを変える。
でも変わらないこともある。
人の歴史って面白いですね。

社長の背中

  • 2025年06月19日

先週発売になった文庫「残された人が編む物語」をご紹介。
今日はこの本に収載された小説の中から「社長の背中」をピックアップ。

川田剛は以前勤めていた会社の社長、矢作鈴子に連絡を取ろうとします。
携帯に電話をしますが、現在使われていないとのアナウンスが。

昔借りた金を返すために、鈴子にコンタクトを取りたい剛は、新しい連絡先を調べることに。
かつての知り合いを辿ります。
しかし鈴子の連絡先を知っている人物を見つけられない。

素人での調査に限界を感じた剛は、行方不明者捜索協会に依頼。
担当の西山と鈴子の行方を追います。

そうした結果、剛が知ったのは・・・。
後悔と感謝と寂しさ。
様々な思いが剛の胸に溢れます。

最後に剛は一つの選択をします。
それがどういったものなのかは、是非本書でご確認ください。

鈴子は靴が好き。
ということで、小説内には靴にまつわるエピソードがいくつか入っています。

私も靴が好き。
好きが高じて靴のメーカーで働くことにしたほど。
好きなせいか、小説の中に靴がちょいちょい出てきます。

20年ぐらい前に発表した「ボーイズ・ビー」という小説内にも、靴職人のジジイが登場していますし。
そういえば、小説「嫌な女」の中にも靴にまつわるシーンがありましたっけ。

かつては7センチヒールの靴を履き、平気で歩き回っていましたが、さすがにもうそれは無理。
今はヒールのない、ぺったんこの靴を履いています。

たまたまネットで見つけた一足がとても足に合うので、その色違いを7色買い揃えました。
自分の足にぴったりの靴とはなかなか出合えないので、運良く見つけた時には、大人買いをするようにしています。

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