
編集者に提出したプロット案は、ものの数分で却下されてしまいました。
しょうがないので、一応用意していた「なんつってB案」をバッグから取り出しました。
この「なんつってB案」を、編集者が気に入り、執筆GOの指示が出ました。
OL時代、「どうしてもやりたいんですA案」と、念のための「なんつってB案」の最低2つは用意しておくべきだと、教わりました。
提案を聞いてもらえるチャンスを貰ったのなら、そこに、1つの案しか提出しないなんて、もったいないという教えでした。アイデアが浮かぶなら、3つでも4つでも持って行き、その中から選んでもらえというのです。
OL時代のこの刷り込みがあったお陰で、A案は却下されましたが、B案を採用してもらえました。
執筆する時には、いつもその作品のテーマ音楽を決めます。「パブロフの犬作戦」と呼んでいます。日によって、気分にはムラがあるので、小説の世界に入りにくい日や、集中できない日があります。そうした時に、音楽の力を借りるという作戦です。作品世界に近い雰囲気のCDアルバムを決めておき、執筆中は、延々とそれを聴き続けます。一週間もすれば、音楽が耳に入って来れば、自然と作品世界に入っていけるようになります。
「県庁の星」は5回、大幅に書き直したため、その都度、CDアルバムを変えて執筆しました。