米の値段が下がりません。
備蓄米が放出されれば、価格は下がると聞いていたのに。
利用しているネットスーパーでは、未だに5キロで5千円台。
以前は2千円台だったのに。
高いのは米だけではない。
果物なんて、我が家の家計簿では贅沢品の項目に入れるぐらい。
米や野菜は高くても、買わない訳にはいかないのでクリックしますが、果物は価格を見ればマウスを握る手は止まる。
今日は止めておこうと、クリックしない日が増えてきました。
元々遣り繰り上手ではないので、こんな時にどう乗り切ればいいのかという知恵は浮かばず。
そこで知恵の宝庫である友人A子に、この難局をどう乗り切っているか聞いてみたら・・・何事にも限界はあるとの回答が。
仲間内で節約の天才と思われているA子のこの発言。
A子をもってしても遣り繰りが難しい状況なのかと、仲間たちの間に動揺が走りました。
会社員をしていた頃、お金を貯め込んでいるらしいという噂のある先輩がいました。
ケチケチしている感じはありませんでした。
ある日、話の流れで「どうしてお金が貯まらないんだろう」と呟いた私。
するとその先輩から「傘、何本もってる?」と聞かれました。
「多分10本以上」と答えると、「それよ、貯まらない原因は」と言われました。

更に「傘は1本あれば事足りるのに、突然出先で雨に降られたとかで、買うということを何度もしたせいで、その本数になったんでしょ。天気予報が晴れとなっていたとしても、折り畳み傘をバッグに1本入れておけば、そういう無駄な買い物は必要なかったのに、それをしていない。そういう考え方が生活のすべてに亘っているから、しなくていい出費をたくさんしているのよ。それを止めれば、自然とお金は貯まるわよ」とのアドバイスを貰いました。
なるほど。
と、納得した私はどんなにピーカンな日でも、バッグに折り畳み傘を入れています。
改善したのはその点だけなんですが。
小説「腕が鳴る」には、様々な働き方をする人たちが登場します。
浅田千栄は52歳。
劇団を主宰し脚本を書いています。
それだけでは食べていけないため、ずっとバイトをしてきました。
生活は大変です。
大変ではあっても節約が上手ではない。
部屋は物で溢れています。
傘を何本ももっているタイプです。
部屋がカオスとなっているため、あるはずのものを探し出せず、新たに買ったりする。
無駄な買い物を重ねてカオス度は増していく。
そんな千栄が整理収納アドバイザーからの助言を受け、人生を見つめ直していくことに。
考え方を見直す・・・これが物価高騰対策にも、部屋の片付けにも大事なのかもしれません。
スマホを買い替えようと決意する。
私にとっては一大ミッション。
現在のスマホは4年半前に買ったもの。
充電しても充電してもすぐに電池がなくなるし、動作が遅くなっています。
もう限界なのだろうと判断し、ようやくこのミッションに臨むことを決意したのです。
まずどのモデルに買い替えるのかを決めなくてはいけない。
メーカーの公式サイトだけでなく、実際に使っている人の動画もチェック。
そうやって私なりに調べてから、1つのモデルに決めました。
自宅近くのスマホショップをネット経由で予約。
すると予約した日の前日になって、ショップから電話が入りました。
買い替えるモデルはすでにお決まりですかと聞かれる。
そこでモデル名を告げると、店に在庫がないので取り寄せると言われる。
入荷したら電話をするということでした。
そして連絡を待つこと10日。
遅くない?
公式のオンラインショップでは、私が希望するモデルは即日発送となっている。
なにかの手違いで、私の注文は忘れられているという線が強そうだと思う。
そこで予約した店に電話をすると・・・呼び出し音が鳴り続けるだけ。
電話番号を間違えたのかもしれないと、確認してみましたが合っている。
定休日はないし営業時間中のはずなのに。
忙しいのだろうと2時間後に再度電話。
が、呼び出し音が鳴り続けるばかり。
翌日また電話をしてみましたが、アゲイン。
自宅から歩いて5分のところにある店なので、行ってしまった方が早そうな気が。
翌日になって、これでダメなら直接行くことにしようと電話をしたら・・・繋がった。
事情を説明すると、取り寄せ中のモデルは明日入荷予定だと言う。
蕎麦屋の出前かよと言いたくなるも、ぐっと堪えて翌日の訪問時間を予約する。
買う前からすでに疲れてしまっている。
が、この山は乗り越えなくてはいけない山だと自分に言い聞かせて、翌日店に。

カウンターに着いて、使っているスマホをバッグから取り出したら・・・「今、そちらをお使いになっているのであれば、お勧めのモデルがありますよ」と店員から言われる。
そしてあっという間に誘導されて、取り寄せて貰ったモデルとは違うスマホを購入することに。
10日以上待ってでも買うつもりだったあの意志はどこへ。
なにかの契約プランを解約し、なにかの契約プランをプラスして、買い替えのミッションをやり遂げました。
契約プランの中身は今一つ理解出来ていないので、お得になったのかは分からない。
それでもとにかく新しいスマホを手に入れることは出来たので、このミッションは成功としたいと思います。
どういったところからアイデアが生まれるのか。
と、よく聞かれます。
何回聞かれたか覚えていないほど、しょっちゅう聞かれます。
その度に答えを必死で探しますが、なにも浮かばない。
だから「さぁ」と首を捻って終わりにしようとします。

これで許してくれる相手ならいいのですが、それでもなお回答を迫ってくるインタビュアーだったりした場合は、仕方がないので「捻り出す?」と語尾を上げて答えます。
語尾が上がるのは、それが正解かどうか自分でもよく分かっていないから。
更に「捻り出てくるものですか?」と聞かれた時には、「出るまで考え続けるんです」と言うようにしています。
常にアイデアがたくさんあって、すぐに取り出せる・・・といった天才も世の中にはいらっしゃるでしょうが、私はそうじゃない。
だから考えて、考えて、考え続けます。
「フツーの人は考え続けてもなにも浮かばないんですけど」と反論されることもあります。
そうした時には「浮かぶまで粘る」と答えます。
私は浮かぶ前に諦めないようにしています。
考えて、考えてもなにも浮かばなくても、明日浮かぶかもしれないので、明日の自分に期待して就寝。
そして翌日、また考えて考え続ける。
なにも浮かばなくても、明日浮かぶかもしれないから全然落ち込まない。
作家デビューして22年。
この間、ずっと粘り続けています。
新刊小説「腕が鳴る」には、アイデアが浮かばず苦悩する脚本家が登場します。
浅田千栄は劇団を主宰し、脚本を担当しています。

公演日から逆算すると、もう脚本は完成していないとマズいのに一向に筆が進まない。
アイデアが浮かばないのです。
千栄は部屋を片付けて貰った整理収納アドバイザーの真穂に、アイデアが浮かばないことを愚痴ります。
すると真穂から宝塚観劇に誘われたり、アイデアを披露されたりするように。
真穂のアドバイスに納得いかない千栄は、彼女の話を真剣には取り合いません。
そんな千栄がふとしたきっかけから、徐々に変化していきます。
千栄がなにに気付き、どう変わっていくのか・・・その姿を本書でお楽しみください。
映画を生まれて初めて観たのは3歳の時。
さすがに記憶はありません。
母親に連れられて映画館に行ったのが最初。
この日から今日まで、何作の映画を観てきたのか・・・そこそこの数になっていると思います。
映画を観ようとすると、1本2時間だとして、映画館への往復時間を考慮するとおよそ3時間が必要になります。
この3時間の空き時間を作るのは、今はちょっと難しい。
なのでDVDや配信で観ています。
それでも1本を一気に観られる訳じゃない。
今日はここまでと、1本の映画を連続ドラマのように、数日に分けて観ることになります。
この観方をするようになった当初は、作品の鑑賞方法として邪道だとの思いがあったのですが、こうでもしないと映画を観ることは出来ないので、次第に開き直るようになりました。
小説の場合は、1冊を一気に読む人は稀で、何日にも分けて読むスタイルの人がほとんどでしょう。
友人のA子はこのちょっとずつ小説の世界に浸るのが、とても心地よくて、その時間が心のリフレッシュに役立っていると言います。

小説「腕が鳴る」には映画好きな男性が登場します。
64歳の三森泰久は喫茶店の雇われ店長。
理不尽な目に遭った時、辛い時、現実逃避するために映画館に行きました。
そうしてたくさんの映画を観てきました。
この泰久が引っ越しをすることに。
大量の映画のパンフレットやグッズなどを、新居に運び入れはしたものの、収納しきれず、部屋は大量の段ボール箱が積み重なっている状態に。
この話を聞きつけた整理収納アドバイザーの真穂が、片付けるといって泰久の部屋に押しかけます。
泰久は捨てるつもりでいましたが、真穂は収納方法を工夫することで片付けを完遂。
更に映画にまつわるコーナーを作り、飾り付けも行いました。
泰久の人生の中で映画がとても重要だとの判断を、真穂が下したからでした。
こうして部屋を片付けた真穂ですが、これだけでは満足せず、次の提案を泰久にぶつけます。
泰久がどうなっていくのかは、本書でご確認ください。