美容院を

  • 2025年09月18日

これまでどれだけの美容院を転々としたか。

あなたはずっと同じ美容院に通っていますか?
それとも毎回違うところ?

小学生の頃は、自宅から一番近くにある美容院に行っていました。
近所の子どもも大人も皆、そこに行く。
だからなのか、近所の住民たちはほぼ同じ髪型でした。

中学生になると、ちょっとこじゃれた美容院へ15分ぐらい歩いて行くように。
一番近い商店街ではなく、大きな商店街まで歩き、そこに店を構える美容院に。
たったそれだけのことなのに、母親からは「お年頃ね」などと冷やかされました。

高校生になると、電車で十分ほどの大きな街にある美容院に鞍替え。
成長して行動範囲が広がるにつれて、美容院を見つけるエリアも広がりました。

大学生になると、雑誌で見つけたオシャレな美容院を予約。
わざわざ銀座で髪を切って貰っていました。

私の美容院に傾ける情熱は、この時点がピーク。
やがてどこでも同じという結論に辿り着き、美容院選びの視点が変わりました。

まず便利な場所にあること。
自宅か職場から徒歩10分以内で、予約方法が簡単で、待たされず、手早くやってくれて、料金が安いところ。
この条件に合う美容院を転々としてきました。

そして遂に私にとっての終着点を発見。
それは自分でカットするという方法。
この便利さを知ってからはもう戻れない。
このままセルフカット道を突き進んでいく所存です。

新装版となって刊行された小説「嫌な女」には、美容院の店主が登場します。
主人公の一人である夏子と、トラブルになります。
困った夏子は、遠戚である弁護士の徹子に連絡。
解決を委ねます。

夏子の主張と、美容院の店主の主張には大きな違いが。
真相を知るために徹子は調べ始めます。
そこで見えてきたものは・・・本書でご確認ください。

年齢

  • 2025年09月15日

本日は敬老の日。
人生の先輩を敬っていますか?
人生の後輩から敬われていますか?

すべての人は平等に年を重ねていきます。
これをどう捉えていますか?
抗っていますか?
それとも受け入れていますか?

私は楽しみたいなと思っています。
「こんなこと昔はなかった」と驚くこともしばしばですが、加齢を今、経験中なのだと考え、しょうがないかぁと笑って過ごすようにしています。

新装版文庫「嫌な女」に登場する人物たちも、小説の中で年を重ねていきます。
弁護士の徹子は、若い時には甘く見られないよう、実年齢より年上に見せようとしていました。
月日を重ねて、そんな工夫をする必要がなくなります。
加齢を受け入れているような徹子ですが、これだけは譲れないというラインが。
それが靴。
詳細は小説で。

一方の夏子は抗う。
必死に若作りをします。
はたから見ていると痛々しいぐらいの悪あがき。
そんな夏子ですが、実は人一倍自分の年齢をシビアに見る目ももっている。
なにせ夏子は男たちを騙して、小金を巻き上げなくてはいけない。
若い頃と同じ手法では通じないことは、身をもって知っているのですから。

だから年齢と時代に合わせて、騙す手法を変えていきます。
まるで老舗の優良企業のよう。
根幹は変えずに、時代に合わせてチューニングし、商品の売り方を変えていくという手法を取っているのです。

やり手ともいえる夏子ですが、残念ながら詰めが甘い。
しばしばトラブルに陥ってしまう。

年を重ねても全然変わらない部分と、年を重ねて変わった部分、どちらもあるのが人間。
徹子と夏子の年の重ね方を、味わってみてください。

新装版文庫「嫌な女」が発売になりました

  • 2025年09月11日

新装版文庫「嫌な女」が発売になりました。

今回新装版を発売するにあたり、改めて原稿をチェックしました。
すでに発表した小説を改めて読む作業は、こっぱずかしい。
当時はこんな風に表現したのかとか、ここでその展開にしたのかとか、昔の自分に驚いたりもします。
また数年しか経っていないのに、遠い昔の自分の心の内を見せられているような感覚も味わいます。

この「嫌な女」を執筆したのは15年以上前。
だからでしょうか。
普段より恥ずかしさは感じませんでした。
どちらかというと、同窓会で久しぶりに友と会ったような感覚でした。
元気だった?
変わらないねぇ。
今、なにしてるの?
と、登場人物たちに尋ねたいような気持ち。
だから今回の原稿チェックは、懐かしい人と久しぶりに再会出来た楽しい時間となりました。

この小説にはたくさんの人物が登場します。
「主人公である徹子と夏子以外で、好きな登場人物は?」と、取材で何度か聞かれました。
このような時に私は「芸者さん」と答えました。
すると取材者は大抵「芸者さん?」と首を傾げます。
1シーンにしか登場しない脇役なので、覚えていないのも当然。
多くの読者は脇役として、さらっと流してしまうでしょう。

でも私は彼女にとても心惹かれているのです。
この芸者さんは銜えタバコをしながらスクワットをして、夏子への思いを語ります。
この健康に気を遣っているんだか、いないんだか分からない矛盾だらけの人。
こういう人に私は強烈に惹かれます。

人にはいろんな面があって、相反することも同時に抱えています。
そういうおかしなところを、愛おしいと思うのです。

芸者さん以外にも、個性的で魅力的な人物がたくさん登場するのが「嫌な女」です。
ぜひお楽しみください。

嫌な女とは

  • 2025年09月08日

あなたが思う「嫌な女」とはどんな人物ですか?
「悪女」ではなく、「嫌な女」とは。

そうだなぁと考え始めたあなた。
特定の誰かを思い浮かべたりしましたか?

結構身近にいそうな「嫌な女」。
絶対に友達にならないと決めている?
半径10メートル以内には、近づかないようにしている?
フランス映画にたくさん出てくる?

小説「嫌な女」には夏子という女性が登場します。
夏子は嘘吐きで、自己中で、お近づきにはなりたくないタイプ。

が、男たちを虜にする女でもある。
性悪女なのに男たちからチヤホヤされるから、ますます嫌な女度を上げている。
真面目に生きている女たちから見たら天敵です。

ところが。
嫌な女の夏子の人生を読んでいくうちに、違う面に気付いていく。
そんな小説が「嫌な女」です。
どうぞ、夏子の生き様を味わってみてください。

新装版文庫「嫌な女」は9月10日に発売になります。
お住まいの地域によって、また購入方法によって、発売時期は前後しますので、予めご了承ください。

「嫌な女」の新装版を皮切りに3ヵ月連続で、文庫が発売になります。
20年以上作家業をしていますが、このような連続刊行は初めてのこと。

原稿のチェックに追われる中で、装幀の確認や、HP等の更新作業の確認など、細々とした業務が続きました。
頭がバグってしまい、これはなんの原稿だっけ? てなことにならないように、音楽の力を借りました。

1つの作品に1つのテーマ音楽を決めています。
それを聞くことで、その作品世界にすんなり入れるようになります。
このパブロフの犬作戦によって、作品世界がまじることなく、それぞれ独立した世界観になっています。
まずは第一弾の新装版「嫌な女」の発売まで、いましばらくお待ちください。


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