仕返しをする人が好きです。
酷い目に遭った人が、そのまんまというのは嫌いです。
小説でも映画でも。
だから大変な目に遭った人には、ちゃんと仕返しをして欲しいと思っています。
私が特に好きな仕返しは小気味いいもの。
そして会社を乗っ取るとか、命を奪うとか、そういうスケールな大きなものやシリアスなものよりも、小さな仕返しが好みです。
それぐらいなら私にも出来るかもと、思えるぐらいの規模のものがベストです。
そこで新作では仕返しをテーマにすることにしました
なんらかのアクシデントにぶつかった人が、その元凶を作った人に仕返しをする物語です。
テーマが決まったら次は登場人物の年齢をどうするか、検討を始めました。
吟味した結果、40代~50代にすることに。
人はいくつになっても、何度でもやり直せると私は信じています。
信じてはいても年齢が上がるにつれて、遣り直すのに必要なパワーは、より大きなものがいることも理解しています。
つまり40代~50代の人たちにとって、アクシデントを乗り越えるのは、簡単じゃないってこと。
だからこそ実現出来たら素晴らしい。
でしょ?
4人の女性たちを主人公にすることにしました。
第一章では53歳で専業主婦をクビになる人を、第二章では51歳でこれまでの働きぶりを全否定される人を、第三章では46歳で教え子の選手に逃げられる人を、第四章では52歳で収入がゼロになる人を描きました。
どの登場人物もある日突然、地獄に突き落とされます。
誰かによって窮地に陥るのです。
落ちた地獄の底で見たものはなんだったのか、そこからどうやって這い上がるのか、そして突き落した人物に、どんな仕返しをするのかを描写しました。
仕返しをする場面では殊の外筆が進みました。
台詞なんてスルスル出てきます。
仕返しって楽しいなぁと思いながら書いた作品です。
この小説を読んだ後で「よしっ。よくやった」と、登場人物たちに拍手をしたい気持ちになって貰うのが目標です。
すっきりとした読後感に浸って頂けたら嬉しいです。