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Lady, GO

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  エピソード  

水商売の女性に、非常に興味があります。
どうやって、成績を上げる工夫をしているのか、学ぶべきことが多いように思います。
テレビで、水商売の女性たちを追ったドキュメントを観るのも大好きです。

この小説を書くにあたり、キャバクラに行ってみたいと男性編集者に相談すると、「喜んでお供しましょう」と言われました。やけに元気いっぱいの返事でした。

六本木のあるキャバクラに行った時のことです。営業時間前で、まだ店にお客さんはいませんでした。キャバクラ嬢さんたちは店の一角に集まっていて、マネージャーらしき人の話を、聞いていました。
その様子をなんとなく眺めていて、驚きました。
彼女たちの背筋がぴーんと伸びていて、身体がぴくりとも動かないのです。
私なんぞは、しょっちゅう身体が動いてしまいます。脚を組み直したり、体重の掛け具合を右に左に前に後ろにと、始終替えてしまいます。背もたれがあれば、背中をもたせかけて、少しでも楽な姿勢になろうとします。これはほとんど無意識にやっています。
もし、背筋がずっと伸びていて、身体が動かないという人がいるなら、それは強い意志でもって、そうしているはず。
そこにいたキャバクラ嬢さんたちは、背筋ぴーんで、膝の上の手はきれいに重ねられていて、身体は微動だにしません。真剣に聞いていると知らせるためでしょうか。時折、頷いたり、首を傾げたりはしますが、それは、あくまで首から上の話で、肩から下はまったく動きません。じっとマネージャーらしき男性を見つめています。
凄い。
私は感動し、しばし見惚れてしまいました。
彼女たちの、仕事に対する意識の高さの一端を、見せてもらった出来事でした。

Lady, GO
単行本
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文庫本
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