靴下を

  • 2015年01月29日

巷には「これで冷えともさようなら」と謳った靴下が大量に出回っています。
こうした靴下の販売会社は、特殊な糸で編んだとか、足の湿気を熱に変えるだとかの効能を声高に叫ぶのです。
そういう文言を目にする度「そこまで言うのなら、この私の足先を温めて御覧なさい」と思います。
かなり上からの物言いです。
というのも、中学生の頃から何十年にも亘ってそうした謳い文句に踊らされ、今度こそと淡い期待を抱いて購入しては裏切られるという経験を、何百回としているからなのです。
この私の足先を温められるというのなら、やって御覧なさいなといった気分なのです。

ここ数年使っている靴下もそんな一つ。
ネットショップの画像の隣には、愛用者だという人物がそれをはいている写真が。
そして「いつも2枚重ねしていた私が、これだと1枚ではける」だとか「足先の感覚を取り戻せた」だのとコメントしています。
はいはい。そうなの。それじゃ買ってみるけど、この私の足先はどうかしらね。
と、やはり高飛車な感じで購入。
kutusita
届いた靴下をはいてみると・・・うーん。
これまで散々はき倒してきた中では、結構頑張ってる方でした。
フツー程度の冷え性の方なら、これでOKかも。
が、高難度の足先の冷えを抱えた私にとっては、全然物足りない。
靴下をはいていても、足先の感覚はないまま。
私はこの足先を一生抱えて生きていかなくてはいけないのね、なんて悲劇のヒロインを気取っていたら、思いもよらない救世主が登場しました。

それは、ブーツタイプの湯たんぽ。
20センチ程度の丈のブーツに、お湯を入れて足を温めるという品。
これが最高。
靴下に高い要求をし過ぎた私が悪かった。
靴下という形状である限り、限界があったんですね。
発想を大きく変えるべきでした。
ルームシューズの中にお湯を入れてしまえというぐらいの大胆なアイデアにこそ、冷え性が救済される道があったのです。
が、哀しいかな、温かさは終日続くわけじゃない。
それで1日に3回お湯を沸かす必要がありますが、そんな手間なんてへっちゃらでございます。
足先に感覚を取り戻せるのですから。
ブーツタイプにも色々あり、私は部屋の中をそのまま歩けるというのを購入しました。
キッチンで料理中の時にもこのブーツタイプの湯たんぽを使用しています。
片足に450ミリリットル、両足で900ミリリットルのお湯を入れるので、そこそこ重くて、よっこらしょと呟きながら歩き回ることになりますが、まぁ、そのキッチン自体が狭いので、それほど難儀ではありません。
いい運動になるぐらいに思うようにして、毎日歩き回っています。

文房具を好きかもしれない

  • 2015年01月26日

もしかしたら、私は文房具を好きかもしれない。
そう気付いたのはごく最近のこと。

友人との待ち合わせ時間より少し早く着いた私は、さてどうするかなとぐるりと周囲を見回しました。
そこは銀座。
時間を潰せる場所はたくさんあります。
と、この場所からだとあそこの文房具店が近いなと考え、すぐに歩き出しました。
銀座にはお気に入りの文房具店が3つあり、それぞれが離れた場所にあるので、現地点から近いのはその3つのうちどこだろうかとまず考えたのです。
信号待ちをしている時、こうした場合デパートやブランドショップに入って、ウインドーショッピングをする人が多いのではないだろうかと気が付きました。
私はずっとこうしたケースでは一番近い文房具店にまっしぐらでしたが、そういう人は珍しい方だったかもしれないと、今更ながら思い至ったのです。
bunbougu
外国人が多いのでしょうか。
銀座の文房具店の店頭には寿司ネタのマグネットや、和風カードなどが並んでいます。
ここですっかり夢中になり、タイムオーバーになることもしょっちゅうあります。
まだ時間がある場合は店内に入り、心躍らせて回遊するのですが、なんといってもテンションが上がるのはカード売り場。
バースデーカードやサンキューカード、一筆箋などを棚から一つひとつ取り出してはじっくりと眺めます。
特にバースデーカードなどはポップアップ式がいいですね。
カードを開くと飛び出してくる文字や絵などに「おおっ」などと驚かされるのも楽しい。
洒落が効いているバースデーカードなどは、誰にでも送れるというものではありません。
冗談だとわかってくれるだけの信頼関係があることが大前提。
これは〇〇子が喜びそうだとか、これは△△子だとちょっと洒落にならないな、などと友人知人の顔を思い浮かべながらカードを選んでいくのがとっても楽しい。
そして気が付けば待ち合わせ時間ギリギリになっている。
そこでレジの混み具合をチェック。
列ができていて時間が掛かりそうな場合は、泣く泣く手にしていたカードを元の場所に戻し、店を出ることに。
その時、場所をしっかりと覚えておくことが大事。
友人との会食が終わった後、再びここに戻って来た時、すぐにまたピックアップできるようにするために。

友人に「もしかしたら私は文房具が好きかもしれないんだよね」と言ったら・・・「えっ? 今頃気が付いたの? 何十年も前から知ってたよ」とのコメントが。
なんでも服などを見ている時は結構な男前で、サクサクと決めていくのに、文房具店に入った途端、もうここに住んだら? とツッコミたくなるほど長い時間を掛けているのだとか。
自覚ゼロでした。
自分のことってわからないもんですね。
なんて、まとめ方でいいのでしょうか?

包丁

  • 2015年01月22日

ぼんやりテレビを見ていたら・・・番組スタッフが街行く人にアンケートを実施中。
「お宅の包丁は、どれくらいの頻度で研ぎますか?」というびっくりな質問をしています。
これに「そうですねぇ、年に1回ぐらいですね」とか「月に1度はしますね」などと答える人たちが映し出されます。
そ、そうだったのか。
包丁というのは自宅で研ぐものだったか・・・と初めて知りました。
なんせ私、生まれてから1度も包丁を研いだことがない。
どうやって研ぐんだろうと考え始めて、即ネット検索。
売ってるんですね。
包丁を研ぐグッズが。
どれにしたらいいかわからなかったので、「電動歯ブラシの原理で安全に素早く簡単に研げる」とのキャッチコピーのついた品を購入。
電動歯ブラシの原理って、どんな原理なんでしょう。
ちっともわかりませんが、「原理」というちょっとアカデミックな香りに惹かれて選んでしまいました。

届いた品のパッケージには、包丁だけでなくいろんな物が研げると書いてあり、例としてハサミと鎌の写真が。
ハサミはいいとして、鎌って。
私の日常生活で鎌は滅多にお目にかからない代物なのですが、皆さんにとっては結構身近な品だったりするのでしょうか。

と、パッケージに1つツッコミを入れた後、キッチンの棚に収納。
以上。
それから月日は流れ、季節は巡りました。
先日探し物をしていた時見つけたのが、このシャープナー。
P1000972
シャープナーってなんだっけと、そもそもなんの道具なのかさえ思い出せない状態。
しばらくパッケージを読み、そうか、包丁を研ごうとしたのだったと思い出しました。
あれはしかし、1年以上前ではなかったっけ?
時が経つのはあっという間だな、なんてちょっと遠い目をしたりして。
買っただけで満足してしまい、今度時間のある時に包丁を研ごうと考え、ひとまず収納し、それっきりになっていました。
そもそも「今度時間のある時に」という決しておとずれることのない時期設定をする段階でアウトなんですよね。
えっ?
それからやったのかって?
いえいえ。
「今度時間のある時に」やろうと思って、また同じ場所に仕舞いました。
新しい習慣を身に付けるのって、大変なんですよね。

カフェで

  • 2015年01月19日

美術館の中にあるカフェ。
展覧会場の隣にあり、絵を見た後ひと息つきたい人たちで結構混んでいました。
女性スタッフが仕切っていて、客の席の割り振りをテキパキとこなしている模様。
私は一人だったのでそう告げて、そのスタッフが見繕ってくれるであろう席が用意されるのを待っていました。
私の後に二人組の客が訪れ、同じように席が用意されるのを待つことに。
と、店の裏のあたりから60代ぐらいに見えるアダルトな女性客が1人闖入してきました。
どうやら、そのカフェの入口は1ヵ所ではなかったようです。
そのアダルトな女性は店内をぐるっと見回すと、いきなり4人掛けのテーブルに着こうとしだしました。
そのテーブルには前の客が残したグラスなどが置いてあり、まだ片付けていない状態になっているというのに。
もうツッコミどころがたくさんあり過ぎて、どこから手を付けていいのか困るぐらい。
正面入り口では空き待ちの客が並んでいるのが、目に入らないはずがない場所の、しかもまだ片付けていないテーブルで、1人なのに、混んでいる店で4人掛けの席に着こうとするという困ったちゃん。
仕切っていた女性スタッフは慌てて「お客様」と声を掛けます。
そして「お一人様ですか?」と確認すると、「そう」と実に堂々とした回答ぶり。「席のご用意ができるまで、皆様には並んでお待ちいただいております」と女性スタッフが言うと、ゆっくりと時間を掛けて椅子に座っちゃってから「だったらこちらで待たせていただくわ」とのコメント。
kafe
店員さんも大変だよな。
なんて同情していると、ほかのスタッフから席の用意ができたと声を掛けられたため、私はその場を離れました。
なので、その後その困ったちゃんにどう対処したのかは不明。

大学を卒業した後就職した会社で、店に配属になり、接客仕事をしていました。
その頃の苦労を思い出しました。
当たり前っちゃ、当たり前なんですが、お客さんは十人十色なわけで、それぞれに最善と思われる対応をしていくというのはとっても大変なんですよね。
どんな仕事にも苦労はあると思いますが、喜びもありますね。
たまに、にっこり微笑まれて「お世話様。お陰でいい買い物ができたわ、有り難う」などと言われることがありました。
こっちはびっくりしちゃって「いえいえ、そんな。こちらこそ有り難うございます」なんてお礼を言い合ったりして。
そんな一つの嬉しいことが、百の苦労を帳消しにするというのが、仕事の面白いところでしょうか。

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