ジャガイモの皮

  • 2023年03月30日

ジャガイモの皮を剥くのがメンドー臭い。
昨今はピーラーでジャガイモの皮を剥く人が多いのかもしれませんが、私は包丁派。

ジャガイモには色々な種類がありますが、どれも基本的には凸凹している。
人参や大根とは違って、ピーラーとの相性は悪い。
ピーラーでジャガイモを剥くと、必ず皮が残ってしまう部分が出る。
そこは包丁を使って剥くことになる。
結局包丁に出張って貰うのであれば、最初っから包丁を使って剥いた方が早いように思えて、私はジャガイモだけは包丁派なのです。

で、包丁を使ってジャガイモの皮を剥くのが、メンドーなのです。
そんな私に救世主がいる。
ジャガイモの皮が剥かれ、すでに下茹でまでされたものが売られている。
サンキュー。
1度これを使ったらピーラーだろうが、包丁だろうが、ジャガイモの皮を己で剥こうなんて気にはなりません。

もう何年もこの下茹で済みのジャガイモを愛用していたのですが、先週ネットスーパーで買おうとしたら、売り切れていました。
どうする、私?
皮は剥きたくないが、カレーライスを作る気満々だったので、口がもうカレーの準備体制に入ってしまっている。
違うメニューにしたら、口が怒りだしそうな気がする。
散々悩んだ結果「ま、たまにはいっか」とフツーのジャガイモを購入。

届いたジャガイモの皮を早速剥き始めたら・・・ため息が止まらない。
久しぶりのジャガイモの皮剥きが、これほどまでにメンタルにダメージを与えるとは。
カブの皮剥きでは、こんなにしんどくならないのに。
カブは大抵形が綺麗なので、包丁で剥いても短時間でささっと済ませられる。
でもジャガイモは凹んでいるところの皮を剥くためには、向きを変えたり、ちょっとずつ刃を当てたりといった微調整が必要。
更に包丁の芽をあごの先で、ぐりっとえぐらないと、いけなかったりもする。
カブの時にはないこうした細かい作業が、七面倒臭く感じてしまうせいでしょうか。

そうしてやっと剥き終わったジャガイモを、鍋に入れてカレーを作りました。
大変な思いをして作ったカレーをしみじみと味わう。
そして心に誓う。
もう皮つきのジャガイモは買わないと。
下茹で済みのジャガイモが売り切れていたら、次の入荷を待つと。

声を

  • 2023年03月27日

あなたの声はどんな声ですか?
私は鼻声。

これに気付いたのはフリーライター時代。
インタビューする際に声を録音します。
後でそれを聞きながら原稿をまとめます。
相手の声の合間に自分の声が聞こえてきた時「こいつ、誰?」と驚きました。
鼻詰まりを起こしている女が、のんびりと質問しているのです。
思わず、再生をストップし、心を落ち着けてからもう一度聞いてみると・・・鼻詰まりの女は私でした。
風邪なんか引いていなかったのに。
慢性副鼻腔炎のせいで、澄んだ声は出せなくなっていたようです。

当時、対面せずに、電話だけで取材をすることもありました。
顔が見えない分情報が少ないので、恐らく先方は私を「鼻声の人」として記憶していたことでしょう。
ちょっと寂しいです。

美声とまではいかなくても、フツーであったならと思わずにはいられません。
声が与える印象って結構大きいですからね。

新聞で発見したのは声を使った商品。
スマホほどのサイズのそれは、ボタンを押すと男性の声が出るという。
どういう時に使うかというと、インターホンや電話で受け答えをする時に、ボタンを一つ押す。
すると男性の声で「宅配ボックスに入れておいてください」などと言ってくれる。
つまり本当は女性の一人暮らしだけど、家の中には男性もいるんだぞと思わせたい、なんて時に使うんですね。
男性の影をちらつかせることで、セキュリティを強化するって作戦。
昔、女性の一人暮らしでは、ベランダに男性の服を、干しておくといいなんて言われていましたが、その変形型最新版声バージョンといったところでしょうか。
最近は物騒な事件が多いようなので、こういうグッズはいいですよね。

もしこの男性の声のリクエストが出来るとしたら、どんな声が欲しいですか?
オペラ歌手のバスぐらい、低くて美声がいいでしょうか。
それとも魚市場で喉を鍛えました、なんて感じのかすれ声?
素敵な声の男性がいると思われるより、やっかいな男性がいると思われた方が、セキュリティを強化するという点ではいいような。
だったらかすれ声の人に「あ?」と不機嫌そうに言って貰うのがいいのかも。
なんだか妄想が広がります。

口内炎

  • 2023年03月23日

口内炎が痛くて痛くて。
5日前に舌に激痛が走り鏡を覗きました。
舌の横に白いぽちっとしたものが。
口内炎です。
ちょうど歯と当たっている部分のため、なにもしていなくても痛い。

こんな状態なので咀嚼が大変に。
口内炎があるのは舌の左サイド。
口内炎に食べ物が当たらないよう、右の方に集めようとしてみる。
が、集めるためには舌を動かさなくてはいけない。
でも舌を動かせば激痛が。
どうすりゃいい?

しょうがないので痛み止めの薬を飲んで、多少痛みが小さくなったところで再トライ。
痛みがゼロとはならないものの、我慢出来るぐらいにはなったので、なんとか食事を終えることが出来ました。

問題は歯磨き。
必死で舌を右方向に引っ張り歯から離す。
そうして出来た空間に歯ブラシを入れて、動かそうとしてみる。
しかしどんなに舌を右に引っ張っても、ゆとりの空間は生まれはしない。
小さめヘッドの歯ブラシでも当たってしまう。
歯ブラシを動かした途端に激痛に襲われ、絶叫しながらのブラッシングに。
泣きそうになりました。

このまま痛みに耐え続けるしかないのかと、うんざりしている時、ふとデスクの端に鎮座するスプレーに目が留まる。
それは喉が腫れたり、痛くなったりした時に、患部に噴射するタイプの薬。
私はしょっちゅう喉が痛くなります。
慢性の副鼻腔炎の影響ではないかと、自分なりに解釈しています。
病院に行くほどではないので、市販薬で済ませたい。
こんな時に使っていたのが、この噴射タイプの薬でした。
しばしば喉が不調に見舞われるので、すぐに手に取れるようデスクの端に置いていたのです。

容器の裏の説明書きをルーペを使って読んでみたら・・・口内炎にも効果があるとなっている。
おっと。
どうして喉の痛みにも、口内炎にも効果があるのか、その理由は分かりませんが、とにかく丁度良かったと口内炎に噴射したら・・・大激痛。

それまでの痛みの百倍は痛い。
どうして?
この痛みを我慢した先に快癒が待っているの?
一刻も早く治したい私は、この痛みを受け入れることに。

1日数回シュッと口内炎に噴射。
その度に「イッテー」と大声を上げる。
これを3日続けたのですが、痛みは小さくならないし、口内炎のサイズにも変化なし。
治っていっている気配がない。

ネットで調べてみたら、口内炎は5~7日程度で治るとなっていました。
もう3日。
なにもしなくても同じじゃね? と思い至り、噴射を止めることに。
そして今日は5日目。
痛みはほとんどなくなりました。
なにもしなくても、痛みを我慢しても、同じ日数で治るのであれば、早く治そうと痛みを我慢していた私はなんだったんでしょう。

桜が

  • 2023年03月20日

今年、関東の桜の開花は早かったですね。
前の住まいの隣に、一本だけ桜の木がありました。
普段はそこに木があることなんて、意識に入ってこないのですが三月になると違います。
まずその木の下で立ち止まり、スマホで撮影している人を見掛けるように。
皆、蕾の状態を確認しているのです。
そして私も。
足を止めて蕾を見つめます。
こんなに大勢から咲くのを待たれる植物って、他にないですよね。

電車の車内から窓外の景色をぼんやりと眺めている時、ぱっと桜が目に入ると、それだけで今日はいい日だなんて思えます。

これだけ美しく存在感のある花ですから、小説の中に何度も登場して貰ってきました。
「残された人が編む物語」では登場人物の1人が、池の周囲を飾る夜桜を、高台の邸宅から眺めるシーンがあります。
浮かれ騒ぐ周囲の人たちとは違って、彼は寂しい気持ちで夜桜を眺めます。

また文庫「じゃない方の渡辺」では、主人公が中学校の入学式の日に、桜の木の下で記念撮影をする家族らをちらっと見るシーンがあります。
彼女は記念撮影はせずに、父親と2人で家路につきます。
どちらも桜だからこそ成立するシーンになっています。

「残された人が編む物語」で登場した池の周囲を飾る桜には、モデルとなった場所があります。
実家から電車で4つか5つ隣の駅に、大きな池がありました。
普段は閑散としたエリアなのですが、桜の季節になると一転、皆が吸い寄せられるようにそこに集まります。

子どもの頃は親に連れられて花見に行ったものの、桜は綺麗だけど、その下でブルーシートを敷いて騒ぐ大人たちには、眉をひそめていました。
大声で騒ぐし、喧嘩する人はいるし、毎年池に飛び込む酔っ払いが出るしで、本当に桜を見たくて集まってるのかなと首を傾げていました。

が、大学生になると、眉をひそめられる側になる。
ブルーシートの上で大騒ぎをして、飲み食いに興じました。
この体たらくが大人になるということでもあったりする。

働き始めるようになると、ブルーシートを敷いてというのがアウトになる。
お尻が痛くなるし冷える。
簡易トイレの行列に並ぶのもしんどい。
桜を窓越しに眺められるカフェとか、ホテルのラウンジでの花見を所望するように。
桜との距離は遠くなりますが、快適な場所を選ぶようになるのです。
楽ちんな方へと進んでいるものの、桜を愛でる気持ちは変わっていません。
多分これからも、小説の中に何度も登場することでしょう。

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