「結婚させる家」の文庫版の発売まであと2日となりました。
先月の「嫌な女」新装版文庫の発売に続いての刊行になります。
この小説の舞台となる結婚情報サービス会社では、カリスマ相談員の桐生恭子が働いています。
この恭子の人生は訳あり。
生来のお節介気質を活かして、結婚相談員として第二の人生をまっとうしようとしています。
ある日、恭子は閃きます。
なかなか前に進まない交際中の会員の背中を押す企画を。
それは交際中の会員を豪邸に住まわせて、2人での生活を体験させるというもの。
将来像を想像し易くなって、ちゃっちゃっとゴールインするのではと考えたのです。

社長に心配されましたが、恭子は強引にこの企画を通し、腕まくりをして会員を豪邸に迎えます。
ところが。
恭子が思うようには事態は進まない。
会員は50代。
それぞれが背負ってきた人生がある。
好きの思いだけでは動けない。
それにプレ夫婦生活をしてみたら、カフェでお茶をしていた時には気付かなかった悪習を、目の当たりにすることに。
幻滅したり、怒ったり。
カリスマの恭子をもってしても、話をまとめられないケースも。
人生後半のパートナー選びは簡単ではないのです。
登場人物たちの人生を、決断を、そして恭子の変化を味わって欲しい小説です。
発売まであと少しお待ちください。
以前、撮影で豪邸にお邪魔したことがあります。
家を建てたものの、なんらかの事情で入居は中止に。
オーナーは売却ではなく、撮影場所として貸し出すことに。
こうした現場に慣れているだろうに、カメラマンをはじめ、スタイリスト、ヘアメイクさんたちが皆、口をあんぐりとしてシャンデリアを見上げる。
ここまでの豪邸は初めての模様。
そして仕事の準備はほったらかしで、各自が色んなところを開け始める。
クローゼット、浴室、オープン・・・開けられるものは全部開けると決めたかのよう。
「うわっ」とか「はいはいはい」とか呟きながら。
豪邸は人を挙動不審にさせると知りました。
「結婚させる家」文庫版は10月8日発売です。
3ヵ月連続刊行の第2弾は「結婚させる家」です。
この文庫版が10月8日に発売になります。
婚活に取り組む50代の男女の物語です。
50代の婚活は、他の世代のそれとは違います。
そこそこの年月を生きてきただけに、それぞれが抱えている事情は複雑になっている。
相手に求めるものも若い頃とは違う。
男女が越えなければいけないハードルの高さは増しているのです。
それでも結婚したいと願う人たちの奮闘ぶりを描いている小説です。
人生100年時代。
50代は折り返し地点。
残りの人生をどう過ごしたいのか、誰と過ごしたいのかを考える登場人物たちを、きっと身近に感じられるはず。
発売までいましばらくお待ちください。
最近はマッチングアプリが人気のようです。
手軽に相手を見つけられると好評のようですが、残念ながら騙される人たちも。

「結婚させる家」の舞台はというと、結婚情報サービス会社です。
ここでは最終学歴の証明書や、収入額を証明するもの、独身を証明するものといった書類の提出が必須。
手軽ではありません。
その代わり身元が正しく分かるという利点が。
友人のA子が50代で婚活を始めようと決意した時のこと。
この年で騙されている時間はないと考えたA子は、結婚情報サービス会社を選択。
母校の大学に卒業証明書の発行を依頼するため、申請書を取り寄せると・・・申請理由を書く欄が。
婚活とは書きたくない気持ちが胸に溢れる。
そこで就職活動の際に必要と嘘を書いて申請。
次に独身証明書を取得しようと調べると、役所に出向かなくてはいけないと知る。
コンビニでの申請は不可。
役所のみ。
ただし郵送で申請することは出来る。
が、手数料の300円を、郵便局で定額小為替を購入して同封しなければいけない。
定額小為替という聞き慣れないものを、郵便局で入手しなくてはいけないというハードルが高かった。
A子はこのハードルを越えられませんでした。
メンドー臭いの方が勝ってしまったのです。
思わぬところで人は躓くものですね。
世界陸上が終わってしまい、放心状態が続いています。
そしてつくづく思う。
スポーツに勝てるコンテンツはないと。
そして確信する。
日本人はスポーツが大好きだと。
ラグビーの大会が日本であった時も、始まるまでは成功を疑う声が多かった。
スポーツ観戦好きの私でさえ「ラグビーかぁ。ルール知らないしなぁ」と及び腰。
日本戦じゃないと、観客席はガラガラになるだろうと予想する見方も。
が、蓋を開ければ、俄かラグビーファンが大量発生して日本戦以外も大入り満員。
物凄い盛り上がりを見せました。
そして今回の世界陸上。
チケットの売上が好調だという話は聞いていましたが、ここまでの熱狂状態になるとは。
観客たちの熱い思いが、画面を通してこちらにもビンビン伝わってきました。
スポーツ観戦を心から楽しんでいるのが、よく分かりました。
新聞にサッカー選手目線で、試合を疑似体験出来るアプリが紹介されていました。
イギリスのマンCのホームゲーム限定のもので、実際に行われた試合の振り返りを、その時の選手目線で行えるという。

これって・・・自分があたかもサッカー選手としてピッチに立ち、試合をしているような感覚を味わえるってこと。
凄いです。
世の中はこんなことになっているんですね。
このアプリだと試合中に選手がなにを見て、どう動いているのかが分かる。
味方の選手がボールを持った瞬間、そのボールから目を離す選手。
空いたスペースを探す。
そしてそこに走り込む。
ボールが来ると信じて。
この時にボールを見ていないことを、疑似体験出来るとしたら・・・サッカーの面白さが何倍にもなりそう。
プロのサッカー選手を夢見るちびっ子たちには、とってもいい勉強になりそうだし。
走り込んだところに、味方からパスが流れ込んでくることもあるでしょうし、ボールが別の選手にいってしまうこともあるでしょう。
「せっかくいい場所に走ったのに、なんだよ」と拗ねたくなる気持ちまで、疑似体験出来るかも。
スポーツの楽しみ方の横展開から目が離せません。
観光地で、「写真撮って貰えますか?」とカメラを渡される確率が、私はとても高いです。
例えばこっちが4人連れでいたとして、そう言われるのは私だけ。
ぼんやりしていて暇そうに見えるのでしょうか?
写真を撮ってあげるのは全然いい。
だが問題がひとつ。
私は写真を撮るのが下手なのです。
大抵「ここを押して貰えばいいんで」と言われます。
この台詞には、オートフォーカスなので、ボタンを押せばどんな人でも上手に撮れるんで、心配しないでねといった意味合いが含まれているように思います。
が、こうした予想を簡単に覆すのが私。
なにが主役なのか分からない写真を撮る天才でもあります。
なにがいけないのか。
センスでしょうか?
結局、私は期待を裏切るレベルの写真を撮って、カメラを持ち主に返すのでした。

昔、靴のメーカーで会社員をしていた頃は、商品をPRするのが仕事でした。
普通の会社であれば、プロのカメラマンに依頼して、商品を200パーセント素敵に見せるような写真を用意します。
が、私がいた会社の予算はゼロ。
プロに頼むお金がない。
だったら、どうする?
自分でするしかない。
と、こういう哀しい理由で、この私が写真を撮るはめに。
会社の一眼レフで靴を撮影。
しかしながら使えるレベルの写真が一枚もない。
商品を実際より悪く見せている写真ばかり。
これには困りました。
結局、会社内で写真が上手な人を探し出し、その人に拝み倒して撮って貰っていました。
新装版の文庫が発売になった「嫌な女」には、写真館でのエピソードがあります。
男から小金を巻き上げて暮らしている夏子が、写真館にやって来ます。
男と二人で写真撮影に臨みます。
本気で男とのツーショット写真が欲しいのか、それとも騙すための作戦のひとつなのか。
二人は写真を撮って貰い帰って行きます。
が、これには後日談が。
夏子と写真館の館主の間で、ちょっとしたトラブルが。
その理由がなんとも夏子らしいものでした。
興味を覚えた方はぜひご購入ください。
