ハンカチ落とし

  • 2018年02月12日

ハンカチ落としという遊びを知っていますか?

近道だったので近所の公園を突っ切って歩いていたら、子どもたちがやっていました。
ハンカチ落としで大盛り上がりをしている。

おかしい。
どうしてハンカチ落としで盛り上がれるのか?

私が子どもの頃にも、ハンカチ落としはとてもポピュラーな遊びとして存在していました。
がしかし、盛り上がるのは非常に難しい遊びだったとの記憶しかありません。

ハンカチ落としをご存知ない方がいるかもしれないので、説明をしますと・・・まず子どもたちは円陣を組み、内側に向いて座ります。
鬼は1人で、その鬼はハンカチを手の中に隠すようにして持ち、円陣の外側を歩きます。
時々立ち止まって、誰かの背後にハンカチを置くフリをしたりして演技をします。
そうしながら一人の子の背後に本当にハンカチを置く。
座っている子たちは後ろを見てはいけない。
ハンカチが置かれたかどうかは、前を向いたまま手を後ろに伸ばして、探ることしか許されていない。
ハンカチを置かれた子に気付かれないうちに鬼が一周して、またその子の背後に立てたらポンと背中を叩く。
これで鬼の勝ち。
背後にハンカチを置かれたことに気付けなかった子は、次の鬼になります。
鬼が一周している間に、自分の背後にハンカチが置かれているのに気付けた場合は、鬼を追い駆けます。
自分が座っていた場所に鬼が到達する前に、鬼にタッチできたら、鬼の負け。
また鬼となってしまった子は、再び円陣の外側を歩きながら、誰かの背後にハンカチを置くフリをします。
これが延々と続く遊び。

私が子どもの頃は、なぜハンカチ落としをしたかというと、消去的に選択していった結果「それじゃハンカチ落としでもする?」といった流れになる場合がほとんどでした。
この「ハンカチ落としでも」の「でも」がポイント。
遊ぼうということになったのだけれど、スペースがそれほどないので走り回れない。
ゴム跳びや縄跳び、野球などをするには道具がない。
それに加えて十人前後で、多くもなく少なくもない、なんとも中途半端な人数だったり、年齢に幅があったり、男女が混じっていたりといった場合、あれはダメでしょ、あれも無理だよね、と知っている遊びを消していった先に見えてくるのが、ハンカチ落としでした。
が、盛り上がれない。
この遊びのクライマックスはやはり、ハンカチが自分の背後にあると気付いた子が、鬼を追い駆ける場面だろうと思います。
しかしながら、大抵の子がハンカチが置かれたことに気付くのが遅れる。
それは鬼がハンカチを置くのが、手を背後に伸ばした時に届かない場所だから。
ずるいのか?
それとも賢いのか?
背後にいくら手を伸ばして探っても、ハンカチがあることがわからない。
それで鬼に背中を叩かれて、初めて自分の背後にハンカチが置かれていたことに気付く。
これだと鬼を追い駆けるというシーンがない。
実に淡々と鬼が交代していくという遊びになってしまう。
なので、盛り上がれない。

とこういった思い出があるのです。
が、公園の子どもたちは物凄く盛り上がっている。
しばらく見ていると・・・鬼がハンカチを置く場所が子どもに近い。
手で探れば、すぐに気が付くぐらいの場所に置いている。
鬼が誠実なのです。
それでハンカチを置かれた子はすぐに気付き、鬼を追い駆ける。
これによって非常に盛り上がっているようなのです。

ハンカチを置く鬼が卑怯じゃなければ、こんなに盛り上がれる遊びだったのかと気付く2018年の冬。
公園で一人立ち尽くしてしまいました。

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