テレビのニュース番組を見ていたら、ある通販サイトがランサムウェア感染によるシステム障害で、受注停止になったとの一報が。
そこは私が日頃利用しているサイトでした。
日用品は結構嵩張ります。
トイレットペーパーやティッシュペーパーを買えば、片手が塞がるし、洗剤類は液体が多いので重い。
これを解決する手段として通販サイトを利用していたのですが、そこがダメだとなると、別のサイトを探すしかありません。
そうして見つけた通販サイトで買い物をしようとすると・・・めっちゃ時間が掛かる。
これまで利用していたサイトでは、購入履歴が残っているので、そこをポチっとすればカートに入り、レジに行くまでの流れがスムーズで速い。
が、初めてのサイトだと、大量の商品から普段使っている品を、見つけ出すところから始めなくてはいけない。
これが結構大変。
検索窓に除菌シートと入力すれば、たくさんの除菌シートが出てきてしまう。
その中から見覚えのあるパッケージを見つけなくてはいけなくて、それに時間が掛かるのです。

スピードアップしたいなら、商品名で検索するべき。
でも商品名はうろ覚え。
なんとかティとかいう名前だったような・・・ぐらいの、うろ覚えレベル。
これでは買えないので、洗面所に行き使用中の商品名を確認して、パソコンの前に戻って検索という行為を繰り返すはめに。
こうして10品を買うために、行ったり来たりを10回繰り返しました。
「日用品なんて、なんだっていいじゃないか」とツッコミをしたい方もいらっしゃるかと思います。
が、なんだって良くない。
それまでに何度かトライ&エラーを繰り返した上で見つけたベストな品なので、どうしてもいつも買っているものが欲しい。
たとえ商品名を覚えていなくても。
文庫版が発売になった「結婚させる家」には、私のように日用品にこだわりを見せる人物が登場します。
山本幸弘はバツイチの大学教授で54歳。
結婚情報サービス会社に入会し、50歳の菰田純子と交際中です。
辣腕相談員、桐生恭子の勧めで、豪邸でプレ夫婦生活をすることに。
ある日、幸弘が純子に買い物を頼みます。
メーカー名と商品名を指定した上で、目薬とティッシュペーパーを買うよう依頼します。
果たして純子は、幸弘をメンドーな男だと思うのか、分かり易くて助かるわと思うのか・・・。
詳細は本書でご確認を。
英語は得意ですか?
私はからっきし。
1979年に始まった共通一次試験。
50年の間に試験で読む英単語量は約2倍に増えていると、新聞に書かれていました。
もし今、私が高校生だったら、どこの大学にも入れない。
私が受験したのは小学6年生の時。
試験科目は国語と算数のみでした。
ネットで調べてみたら、母校の現在の試験科目は、理科と社会が加わっていて4科目になっていました。
もし今、私が小学生だったら、合格出来なかったでしょう。
小学生の頃に通っていた塾では、2科目受験コースと、4科目受験コースがあったので、当時2科目だけの試験を実施する学校は、そこそこあったと思われます。
国語は勉強した記憶なし。
漢字って難しいと思った記憶はありますが、なんとか凌いでいたのでしょう。
問題は算数。
そんなの学校で習ってないんですけどといった、高難度の問題を解けと言われて、脳みそが沸騰しそうになっていました。

点数が取れず、どこで躓いたのかも分からない状態。
最終的にはスパルタの家庭教師に来て貰うという荒業を親が選択し、なんとか合格出来ました。
塾の先生たちは皆、個性的でした。
人気のある先生の授業には生徒が殺到し、人気のない先生の教室はガラガラでした。
これって、結構残酷。
先生たちはそれを、どんな風に受け止めていたのでしょう。
人気があるのは面白くて、教え方が上手な先生。
こういう先生は大体先生とは呼ばれず、ニックネームで呼ばれる。
教室がガラガラの先生はただ「〇〇先生」と呼ばれていました。
生徒と教師の距離感が、呼び方にはっきりと出ていますね。
文庫版が発売になった「結婚させる家」には塾の講師が登場します。
塾講師の細田泰彦は53歳のバツイチ。
結婚情報サービス会社に入会して婚活中。
泰彦が塾の講師になったのには理由が。
その理由を知った交際中の吉村梨佳が、どう思うのか。
本書でお楽しみください。
文庫版が発売になった「結婚させる家」の舞台は、結婚情報サービス会社です。
この小説を書く前に、何人かに取材をさせていただきました。
その中には結婚情報サービス会社の人も。
色々と興味深いお話を聞かせて貰いました。
特に印象に残っているのは、目標を見失ってしまう会員が多いというお話。
紹介された人と次々に会っていくうちに、欠点ばかりが気になって真剣交際に進めない。
やがて会員からの連絡に返信するのが面倒になっていく。
面倒だとか、なんで結婚しようと思ったんだっけ、などと考え始めたら物事は進まないと、結婚情報サービス会社の相談員は言っていました。
迷いや疑問には目もくれず、目標に向かって突き進める人が、パートナーを見つけられるそうです。
小説「結婚させる家」にはカリスマ相談員が登場します。
彼女の名前は桐生恭子。
恭子は根っからのお節介焼き。
あれこれと会員の世話を焼きます。
会員たちに発破をかけ、叱咤激励し、成婚までもっていく手腕は、業界内外で高評価を得ています。

会員たちの尻を叩き続け、立ち止まらせないのが恭子のやり方。
この剛腕ぶりには危うい面も。
成婚が決まり退会した会員たちのその後を調査してみると・・・破談するケースが多かった。
この事実を知った恭子は戸惑います。
これまでの自分のやり方は間違っていたのかと。
恭子は訳アリの人生を送ってきました。
一度大きく躓いてしまったのですが、理解のある人たちによって救われたのです。
道を踏み外したものの、なんとか人並みの生活を送れるまでになったことに、感謝している恭子。
でも時折、孤独に耐えられなくなることも。
恭子が最後になにを見つけるのかは、本書でお楽しみください。
文庫版「結婚させる家」には様々な男女が登場します。
安藤仁は50歳。
区役所の職員です。
妻のタカ子と死別し、その寂しさを埋めるために結婚情報サービス会社に入会します。
この会社が主催するパーティーで、金子真帆と知り合います。
同じ50歳の真帆は、バツイチで2人の子どもと3人の孫がいます。
アパレル店の店員です。
活力が漲っているような真帆と一緒にいれば、自分まで元気になれる気がした仁は交際をスタート。
カリスマ相談員の桐生恭子に勧められて、豪邸での宿泊体験を始めます。
仁が真帆とのプレ夫婦生活の中で、なにを感じるのか・・・。
本書でお楽しみください。
パートナーとの死別によってもたらされる哀しみは、とても深く、痛い。
知人のA子は夫を亡くしました。
A子と夫の仲はフツーに見えました。
仲間で集まった席などで、夫の愚痴を零していたので。
A子自身もそう思っていたようです。

ところが。
夫を亡くした途端、自分が半分になったような感覚に襲われたそう。
毎日手作りしていた料理は一切しなくなり、出来合いのものを買うように。
A子にとっての料理は、夫のためにするもので、自分のためにするものではなかったようです。
掃除も洗濯も一気に回数が減り、外出もしない。
一日中テレビをぼんやりと眺めていたと言います。
夫とはしょっちゅう喧嘩をしていたのに、そういうことは思い出されず、楽しかったことばかりが蘇るそう。
そんな暮らしを3年ほど過ごしたA子は、人の紹介で介護施設で週に3日働くように。
家を出て外で人と接して働くことで、少しずつ前に歩き出す力を手に入れていった模様。
先週、久しぶりに会った時には、ガハハと昔のような笑い声を上げていたので、ほっとしました。
