左足に激痛が
- 2012年10月18日
10年以上前のこと。
朝、ベッドに起き上がり、床に足を付けた途端、左足に激痛が。
その痛さといったら、筆舌に尽くし難いほどのものでして、それまで経験したことのない超ド級の痛さ。
咄嗟に、これは、骨折したに違いないと考えました。
年を取ると、気が付かないうちに骨折していたなどという笑えない話をよく聞きますが、とうとう、私もそんなことになったかと、がっかりするやら、痛いやら。
トイレに行きたいのですが、左足を床にそっと置いただけで、激痛が脳天まで走ります。
ケンケンしてみたところ、身体が上下すると、振動が左足に響き、これまた痛い。
しょうがないので、左足はそっと床に置き、両手を壁や棚につき、この手の力を使って、右足を前に大きく出すという、歩き方を編み出し、トイレに向かいました。
狭いワンルームマンションに住んでいたのですが、トイレまでの距離が遠いのなんのって。
なんとかトイレに辿り着き、鏡を見れば、顔には脂汗が。
これは、やはり尋常ではありません。
左足を子細に眺めましたが、特別腫れなどはなく、右足との違いはありません。
病院に行き、2時間以上も待たされ、やっと番になったので、医師に症状を説明すると「じゃ、レントゲンを撮ってみましょう」とのコメント。
レントゲン室は、下の階にあるという。
なんと、女医は、痛さで顔を顰め、壁を伝うように歩いて、診察室に辿り着いた私に、一人でレントゲン室へ行けとのたまったのです。
レントゲンを撮るだろうことぐらいは、私でもわかるので、2時間も待たしていた間に、先にレントゲンを撮っておきましょうぐらいの、先読みができないのかよと、悪態をつきながら、病院の壁を伝い歩きして、レントゲン室へ移動。
撮影後、再び壁を伝い歩きして、待合室へ戻り、再び診察室から名前を呼ばれるのを待っていると、スタッフが一人近づいてきました。
「すみません。ちゃんと撮れていなかったので、もう一回お願いできますか?」
あまりのことに、私は言葉もなく、ただ、じっとスタッフを見つめるだけでした。
再び、壁を伝い歩きしながら、レントゲン室へ行く途中、レントゲンを失敗した未熟者は、私の身体を支えてもくれず、ただ、側に立っているだけ。
いい年して、泣いてもいいだろうかと、そんなことを考えながら、レントゲン室へ移動し、2回目の撮影。
やっと名前を呼ばれて、再び診察室に入ると、「骨折はしていませんねぇ」と女医。
「風邪、ひいてませんでした?」と聞かれ、藪医者にあたっちまったぜと思いながらも「ひいてましたね」と答えました。
その頃、風邪をひいたので、市販薬を飲み、なんとか悪化させないよう努めていましたが、長引いているという状態でした。
ただ、その時点では、咳があるわけでもなく、熱もなかったので、そういわれてみれば、長引いていたんだったわと思い出す程度。
すると女医は「風邪のウイルスが、くるぶし周辺に入って、悪さをしてるんでしょう」と診断結果を発表。
「?」といった顔を私がしていると、風邪のウイルスを殺す薬はないので、ウイルスが身体の外に出て行ってくれるのを待つしかないこと、凍傷にならない程度に、患部を冷やし続け、温めないこと、強い痛みどめの薬を出すので、今のような痛さはなくなるだろうこと、強い薬のため、胃が荒れるので、胃薬も一緒に出すこと、ウイルスが出て行ってくれるのが、いつになるかは、わからないことを説明してくれました。
侮っていたぜ、風邪。
風邪を軽く考えちゃ、いけませんね。
しっかし、なんて、ついてないんだろう、私って。
などと思ういっぽう、ネタとして面白いので、方々で語っていたところ、知り合いにも、いたよ、そういう人、という話が、出るわ、出るわ。
風邪のウイルスが心臓に入って、開腹手術したや、脳に入って喋られなくなった人の話などが、どんどん出てきて、くるぶしだった私はラッキーだったのでは・・・と思うようになりました。
風邪をひく人が増えているようです。
どうぞ、皆さんもお気を付けください。