「シェルブールの雨傘」
- 2012年11月05日
久しぶりに映画「シェルブールの雨傘」をDVDで観ました。
小説と一緒で、映画も、観た時のこちらの状況によって、感じ方が随分と変わります。
カトリーヌ・ドヌーヴの美しさは、以前観た時と同じくらい感動モノでしたが。
以前観た時には「どんだけお洒落な壁紙よ」と、つっこんだ記憶があるのですが、今回、改めて感じたのは、色が溢れているということ。
おとぎ話を映像化する時、ポップな色使いで表現するというのは常套手段ではありますが、それにしたって、これだけ強い色をたくさん使っているのに、画面の中でちゃんとまとまっているのが凄い。
カトリーヌ・ドヌーブの母親役の衣装なんて、もう挑戦的といっていいぐらい。全身赤、全身ピンクといった、コーディネート。これだけ強烈な衣装だったのに、実はほとんど記憶がなく、ということは、壁紙より印象が薄かったということで、私の映画の観方に問題があったようにも思います。
カトリーヌ・ドヌーヴの衣装もとっても可憐で素敵です。
貧しい親娘という設定なんか、どこ吹く風。
徹底的にお洒落です。
セリフはすべて歌。
カトリーヌ・ドヌーブが歌っているシーンが観られるだけでも、一見の価値ありでございます。
おとぎ話の中にも戦争や、恋愛感情の脆さ、生きていかなくてはいけないという重さ・・・こういったものも盛り込まれていて、ただ美しいだけの映画で終わっていないところが、時代を経ても愛される理由ではないかと思いました。
最近の映画の中で観る、カトリーヌ・ドヌーブはほとんど無表情。
美しさだけで勝負している希有な女優さんだなぁと感心していましたが、10代のこの映画の中でも、表情はほとんど変化しません。
それなのに、愛する気持ちや、別れの哀しさ、迷いなどが、しっかりこちらに伝わってくるから、不思議です。
どんな努力をしているのでしょうか。
長いこと第一線で活躍している彼女の、生き様にとても興味がわきました。