窓ガラス

  • 2012年11月12日

郵便受けに、一枚のチラシが。
マンションの管理会社からで、窓ガラスの拭き掃除をすると書いてありました。
入居してから6年。
内側の窓は拭いてきましたが、構造上、外側を拭くことはできず、気になっていました。
なんていうのは嘘で、窓ガラスの曇りなんて気にしたことはありませんでした。
ベランダの窓ガラスだけは、内側も外側も拭けるので、致し方なく、たまにやりますが、拭き方が下手なようで、拭き筋がべったりと窓ガラスに残ってしまいます。
全体的に汚れているより、雑巾が動いた跡がわかる方が、みっともないような気がします。
使っている洗剤容器には、2度拭きいらずと書いてあるのに、4回拭いても、拭き筋が残ります。5回目にトライすることなく、妥協し、これで、オッケーと呟くことにしています。

チラシには、作業員から部屋を覗かれないよう、当日はカーテンを閉めるようにとの注意点も書いてありました。
作業時間中、恐らく私は部屋で仕事中と思われ、ふと、パソコンから顔を上げたら、作業員と目が合ったなんてことになったら、ちょっと気まずいもんなと、納得し、スケジュール帳に、ブラインドを閉じると記入。

そして、当日。
すべての窓のブラインドを閉じた状態で、仕事をしていると、シュルシュルという音が。
なんだ、今の音? と思っていると、カチ、カチとなにかが窓に当たる音が。
そうか、窓拭き作業が始まったのかと思い、なんとなしに、耳を澄ませていると、キュッキュッと小気味のいい音がし出します。
その音のリズミカルなことといったら。
見てはいなくても、手際よく、窓ガラスを拭いていることが容易に想像できます。
と、また、シュルシュルという音が。
どうも、うちの窓拭きを終え、下の階へと移動した模様。
シュルシュルは、屋上から垂らしている、ゴンドラの紐が滑る音のようです。
しばらくすると、隣の部屋の窓からリズミカルな音が。
いったん下の階まで終えた後、隣の部屋の窓を始めた様子。
このようにして、端から順に、窓ガラスが拭かれていきました。
作業終了予定時刻は、午後3時になっていたので、その頃、ブラインドを開けてみると、きれいに輝く窓が。
拭き筋ゼロの、完璧な状態に、プロだわぁと感心してしまいました。
執筆に戻り、パソコンに向かっていると、なにやら、音が。
顔を上げると、窓には雨のしずくが。
うっそー。
よりによって、今から降る?
と、空に尋ねても答えが返ってくるわけもなく。
せっかくきれいにしてもらった窓ガラスも、僅か三十分ほどで、雨に汚されることになってしまいました。
なんとも切ない出来事でございました。

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