テニス

  • 2012年12月03日

学生時代、友人とテニススクールに通っていました。
その室内で行われていたテニススクールは、大学生らしき男性コーチ1人に、生徒は女ばっかり20人以上。
1時間ほどのレッスン中に、自分の番が回ってくるのは、ほんのちょっと。
これじゃ、上手くなるはずもありません。
が、ほかの生徒さんたちは、別段不満があるようには見受けられませんでした。
ロッカー室で、聞くともなく聞いていると、コーチと一緒に飲みに行ったりしているようで、そういったことが楽しそうでもありました。コーチを君付けで呼び、「ああいうとこ、可愛いよねぇ」などと言っているOLさんたちが、やけに大人に見えましたっけ。

そうした席に呼ばれるわけでもなく、テニスも上手くなれず、ただ月謝ばかり取られていくことに疑問をもった私は、別のテニススクールを探すことに。
自宅から比較的近い場所に、別のテニススクールを見つけました。
早速、行ってみると、たまたま行った日が、申込み最終日だったようで、受付のアダルトレディに、「ギリギリセーフよ。よかったわね、間に合って」などと言われて、気が付けば、申込書にサインをしていました。

そして、友人と第一回目のレッスンへ。
コートの横でストレッチをしている集団を見た時、なんか、違うと感じました。
ワカメちゃんみたいなスコート姿をしているのは、私と友人だけ。
ほかの人たちは、トレーニング用のジャージを着ています。
しかも、やっているストレッチが、半端じゃなく、本気でやっている様子。
嫌な予感で胸はいっぱいになり、友人と無言で顔を見合わせていました。
やがて、コーチが登場。
ん?
こんだけ?
見回せば、生徒はたったの8人。
今日はたまたま休んでしまった人が多かったってことじゃなく?
などと動揺していましたが、そんなことにはお構いなく、当然のようにレッスンは始まります。
腹筋、背筋、ストレッチと、体育の授業かよと思うほど、しっかりと準備運動をさせられます。
そして、ボールを使ったレッスンが始まりました。
ネット付近にいるコーチがボールを打ってきます。
それを、生徒が打ち返して、列の最後尾につきます。
これを繰り返すのですが、打ち返して、ほっとしたのも束の間、すぐに自分の番が回ってきます。
気が付けば、ゼーゼーと息が上がっていました。
が、それは序章に過ぎなかったのです。
以前のように、「キャ~、失敗しゃったぁ」などとお遊び半分のテニスとは打って変わって、次々に飛んでくる球に食らいつき、とにかく打ち返すという本気度いっぱいのテニスをするスクールだったのです。
1時間のレッスンが終わり、疲労困憊の私と友人は、駅までの帰り道、口を開く元気もなく、無言でアスファルトの路面を見つめるだけでした。
すでにレッスン料を全額払っていたので、最後まで、なんとか通ったと思うのですが、もしかしたら、それは都合良く記憶を書き換えているだけで、途中で挫折したのだったかもしれません。
ただ、次シーズンには継続申込みをしなかったことだけは、確かです。

体験レッスンや、見学をしてから、決めるべきですね、習い事は。
教室の方針によって、同じスポーツでも、向き合い方が違いますから。


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