大声
- 2014年04月07日
声の大きい人っていますね。
知り合いの中にも、声の大きい人が何人もいます。
あまりに声が大きいので、周囲の人にとっては大変な騒音になっているだろうと思い、こっちはひやひやします。
それで「声が大きいよ」とボリュームを落とすよう諭すのですが、当の本人は自分の声が騒音になっていることには無頓着なようで、一瞬きょとんとした顔をするぐらいで、一向に声量を絞る気配はありません。
さらにお酒なんかが入ると、ボリュームは上がりっぱなし。
周囲もどんちゃん騒ぎをしていて、というのであればいいのですが、近くで訳ありげなカップルがなかなか難しそうな話をしていたりすると、なんとも申し訳ない気持ちになるのと同時に、その知人に猿轡をはめたくなります。
耳が悪いのだろうか? と思ったこともあったのですが、私が小声で話してみると、しっかり聞き取れているようなので、そうしたことが原因ではないようです。
以前、声の大きな知人と書店に行った時のこと。
いつもの調子で大きな声で話し掛けてくるので、「声が大きいから、もっと小さくして」と頼みました。
が、小さく意識できるのは一、二分ぐらいが限界のようで、すぐに元のボリュームになってしまうのです。
その度に「声が大きい」とか、口の前に人差し指をあて「しー」と合図しましたが、効果ゼロでした。
どうもその人にとっては、音量が0か10の2種類しかなく、4で抑えるとか、ここは6でもOKとかいった、その場に応じて音量を調整するのは難しいようでした。
先日、美術館から駅へと歩いていた時のこと。
ゆっくり歩いていた女性の二人組を追い越しました。
と、背後からどこかで聞いたことのある声が。
それは大変有名な方の声と喋り方にそっくり。
とすると、私が追い越した二人組のうちの一人が、その有名な方だったのでしょうか?
あるいは、そっくりさんか。
振り返って確かめたい衝動を抑えつつ、耳を澄ましていると・・・この人の声が大きいのなんのって。
耳を澄まさなくても、四方に響き渡る大声。
どうやら共通の知人男性の話をしているようなのですが、あまりに声が大きいので、内容がすっかり聞こえてきてしまうのです。
件の女性は、その知人男性を先生と呼んではいるものの、尊敬はしていないようで、辛辣な言葉でもって人格を全否定。
その先生がしでかした失態のエピソードが、語られていきます。
やがて、心配になってきました。
本物なのか、そっくりさんなのか、わかりませんが、本物だとしたら、こんなに有名な方が、人通りの多い場所でこれほど大声で、一人の人物をこき下ろしてしまって、大丈夫なのだろうかと。
なんだか聞かされているこっちの方が、ドキドキしてきました。
近くにリモコンがあったら、その人に向けて、音量ボタンの-を押したいところです。
結局、信号が点滅しだしたので、横断歩道を走り抜けた私が振り返った時には、女性の二人組は人ごみにまぎれてしまい、本物かどうかは確かめられませんでした。
悪口を言う時は、小声で。
今回の教訓はこんなところでしょうか。