アンケート
- 2014年05月29日
ある日の夕方。
電話が鳴ったので、受話器を上げると、録音されていると思われる女性の声が聞こえてきます。
「・・・現在○○社は、○○選挙に関する電話アンケートを実施しております。コンピュータで無作為に選んだ電話番号にお掛けし、いくつかの質問に答えていただける方に、アンケートの協力をお願いしております。かかる時間はおよそ5分程度です・・・」
おおっ。
こんな風に電話がかかってくるのであったかと、びっくりするやら、物珍しいやら。
それまでテレビのニュースや、新聞などで世論調査結果を見聞きしていましたが、「本当に?」という結果のことが多く、実際にちゃんとアンケートを取っているのだろうかと不審に思っていたのです。
まさかとうとう、それが自分の身にやってこようとは。
ここは是非とも、どういった質問が出るのかと聞きたいところでしたが、生憎夕飯の支度中で、5分のインターバルは料理の結果に多大な影響を与えかねないメニューだったため、泣く泣く受話器を戻しました。
アンケートといえば、以前、現在住んでいる区から突然大量の書類が届いたことがありました。
区内在住者に交通アンケートをお願いしていると手紙には書いてあり、いつ、どれくらい、どういう手段で移動しているのかを調査したいと理由が並んでいました。
が、私は会社勤めをしているわけではなく、また生鮮食品も日用品もそのほとんどをネットで手に入れているため、滅多に移動しない女なんですね。
こんな私の情報は参考にはならないでしょうし、というよりむしろ参考にしてはいけないぐらいの情報なのではなかろうかと考え、そのまま放っていました。
が、私のような特異なデータも、これからの街づくりを考えるうえでは必要な情報なのではないかと、ふとトイレに入っている時に思い至り、うっちゃっておいた書類を引っ張り出してみました。
と、これがもう細かいっ。
マークシート形式なので、該当箇所を鉛筆で塗り潰すだけなのですが、質問が細か過ぎて、一つひとつ答えていくのが面倒なぐらいなのです。
現在住んでいる住居が木造かそうではないのか、一軒家が集合住宅か、集合住宅の場合、何階建ての何階なのか、持ち家か賃貸か、何人で住んでいるのか、広さはどれくらいか、そこに何年住んでいるのかといった細かい質問が続くのです。
交通のアンケートのはずですが、出発点に関する質問ですでにうんざりしてきます。
いったいどれくらい質問があるのだろうと、書類を捲ってみると・・・200個以上の質問があることが判明。
無理。
未来の街づくりは大切ではありますし、貢献したいとの思いはありましたが、あまりに質問が膨大で、すぐに挫折。
時間のある時に、再チャレンジしようと書類を元の場所に戻してしまいました。
が、時間のある時なんて時はないのです。
別の書類を探していて、この書類を発見した時には、すでに締切日を大幅に過ぎていました。
アンケートに答えようとの思いはそこそこある割に、なかなか実現しないもんです。