扇子

  • 2014年06月05日

扇子をバッグに入れて持ち歩くようになりました。
部屋着や布団も夏用のに順次切り替え中です。

以前使っていた扇子は、数年前の暑い日に、たまたま通りかかった店で売られていて、衝動買いしたもの。
これで夏を過ごしやすくなると期待していたのですが・・・。
その扇子には香が仕込まれていて、扇ぐと、微かにその香が漂ってくるのです。
これ、失敗。
買う時には、サンプルを手にして扇いでみたりしたのですが、香はしませんでした。
皆が扇いだせいで、消えてしまっていたのでしょうか。
レジに持っていったのは、サンプルの下に並んでいた、袋に入ったもの。
自宅で袋を開けて、扇いでみると「わっ、においがキツッ」といった具合。
sensu
「そんなに夏が嫌かね?」と友人に尋ねられ、「ん?」と聞き返すと、「物凄く顔を顰めて扇子を動かしているから」と指摘されました。
どうやら扇子から漂う香が嫌で、顔を顰めながら使っていたのを、夏が嫌いで嫌いでしょうがないからと思われたようです。

それでも新たに別の扇子を購入するでもなく、顔を顰めながら扇ぐというのを、夏の風物詩にするべく健闘していたところ、思わぬところから救いの手が。
化粧品を買ったところ、プレゼントとして扇子が届いたのです。
早速扇いでみると・・・におわない。
無臭の扇子の素晴らしさに感動。
扇子はこうじゃなくちゃいけません。
しかも、小袋が付いているので、バッグの中でポーチやなんかに押しつぶされて痛むのを防いでくれます。
こうしたなにかを買った時に貰う粗品で「うわぁ、素敵」と思うことは滅多にありませんが、これはヒット。

そこは運転免許の更新のために訪れた会場でした。
一部屋に集められ、皆でビデオを見させられることは、何度も経験していたので、わかっていました。
その部屋にはすでに人がいっぱいで、最前列にしか空きはありませんでした。
仕方なく最前列の端に座り、扇子で扇ぎだしました。
駅から結構歩いたことで運動した汗と、迷ったために出した冷や汗で、暑かったのです。
部屋の背後から、男性の「暑いですか?」という大きな声が。
振り返ると、バチンと男性スタッフと目が合います。
周りを見回してみると、扇子をバタバタ動かしているのは、私のみ。
完璧に私にのみ尋ねているようです。
どうしよう。
と思いながらも、手を動かし続けていると、その男性が「冷房をもう少し強くできるかなぁ」と言い出して、歩き出しました。
その向かう先にあるのは、空調のコントロールパネルが設置されているらしき壁。
わっ。そんな。
私だけのために温度を下げたりしたら、皆々様に申し訳ない。
「あの、いえ、全然大丈夫です。もう暑くなくなりました」と、扇子をぱちんと閉じて机に置き、もう暑くないというアピール。
「大丈夫ですか?」と確認されたので、「はい。お気遣いいただきましてありがとうございます」と、本当はまだ全然汗はひいてはいなかったのですが、精一杯涼しい顔で答えました。
扇子で扇ぐという行為は、意外と人の目に強烈に映っているようだと気付いた一件でした。

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