大人のクレイアニメ「メアリー&マックス」
- 2014年06月19日
最近観た映画のDVDの中で、印象に残ったものをご紹介。
1つ目は、「メアリー&マックス」。
クレイアニメの作品で、間違いなく大人向けです。
個性的な8歳の少女メアリーと、44歳の中年男マックスの20年に亘る文通が描かれます。
オーストラリアに住む少女とアメリカで暮らすオッサン。
この2人の共通点は孤独。
世の中を上手に渡っていけない2人は、それぞれの世界で浮いています。
それを手紙に書いて会ったこともない相手に送るのです。
この文通というのが、なんとも効いてます。
SNSなどでは、すぐに返信がきます。
だから孤独を感じないかもしれませんが、それはそう勘違いしているだけかも。
薄い会話を延々と続けても、心は満たされない・・・そんな人は結構多いのではないかと私は思っています。
これが手紙だと、返事が来るまでに時間がかかる。
この時間がとても大事で、時差をおいたうえで届く優しさや思いやりが、胸に沁みるのです。
孤独をテーマにした映画でもう1本。
ジョニー・デップ主演作「シザーハンズ」です。
発明家が作り出した人造人間エドワード。
発明家の急死によってエドワードはたった一人、この世に残されてしまいます。開発途中だったため、両手はハサミの状態で。
このおかしな設定で、もう勝負はあったといった感じですが、そこにエドワード役に魂を吹き込んだジョニー・デップの演技力が加わり、傑作になっています。
ナイーブで、愛されたいという気持ちを、ごく控えめにしか表現できない不器用なエドワードを、ジョニー・デップが見事に演じています。
映画の中で「あなたはどこも悪くないわ。あなたはユニークなのよ」と、エドワードが言われるシーンがあります。
このセリフに、思わず胸がぐっときます。
そこで、いつの間にか、人造人間に感情移入して観ていたということに気付かされました。
どんなおかしな設定でも、そこに魂があれば、その作品世界に浸ることができて、登場人物に寄り添えるのだと実感しました。