ショルダーバッグ
- 2014年06月30日
肩幅がありません。
しかもなで肩。
なので、肩で着る洋服は基本的に似合わない。
昔水泳をやっていたのかと思うような肩幅のしっかりある女性を見かけると、悶絶しそうになるほど羨ましい。
こんな私なので、当然ショルダーバッグは1つも持っていません。
ショルダーバッグを肩にのせた途端、吊りひもが直滑降してしまうので。
以前、女性のバッグのデザインをしている男性に話を聞いたことがありました。
その日、展示会で発表されていた新作は、どれもショルダーバッグ。
好きなものを1つ、差し上げましょうと言われました。
ありがとうございますとお礼を言って、1つ頂戴すればいいものを、バカ正直に私は言いました。
「せっかくなのですが、実は私、なで肩でショルダーバッグだと吊りひもがズリズリと落ちてくるので、結局吊りひもを手で持ち上げ続けて歩くことになってしまうので、いただいても、使えないのです」と。
すると、その男性デザイナーは、そういう女性の仕草が見たくて、バッグはデザインしているんですと言い出しました。
きょとんとしている私に、説明してくれたところでは、女性がショルダーバッグの吊りひもを何度もかけ直す仕草をとても可愛いと思っていて、その仕草を見たいがために、わざと止まりにくい素材を使ったりまでしているとのこと。
はた迷惑なといった言葉が浮かびましたが、そこは大人。
ぐっと我慢して、本当ですか? と再確認するに止めました。
すると男性デザイナーは厳かに頷きました。
そして、私に「ちょっとやってみてよ」と促してきました。
行きがかり上、仕方なく、ショルダーバッグを肩にかけます。
と、すぐに吊りひもが落ちてしまうので、掛け直します。
その時「それっ。それだよぉ。その仕草」と男性デザイナーの大きな声が。
「酔ってますか?」との質問も口に出さず我慢していると、「この仕草を嫌いな男はいないはずだから、女性たちももっとそのことを意識して、ショルダーバッグの吊りひもをかけ直して欲しいんだよねぇ」と男性デザイナーは言いました。
このデザイナーが言うのはホントーでしょうか?
だとしたら、男性の目線と女性のそれとは随分違うもんだなぁと思います。