映画「息もできない」を観て

  • 2014年09月01日

最近観た映画のDVDで、ズシンと胸に響いたものをご紹介。

まずは「息もできない」。
ひと言で言うなら、暴力的。
暴力シーンがたっぷりあるという意味での暴力的でもありますが、観ているこちらの胸を鷲掴みにしてくる迫力も暴力的。
さらに登場人物が置かれている環境も暴力的だし、抱えている孤独もあまりに深く尖っているので暴力的。
美しい景色や、心温まるセリフもない。
あるのは、ただ剥き出しの魂だけ。
その圧倒的な力に、呆然としながら観終りました。
資料によれば、たくさんの賞を取ったとのこと。
だよね、と納得の韓国映画です。
製作・監督・脚本・編集・主演の5役をこなした方は、資金集めにも奔走したとか。
途中資金が足りなくなり、家を売って工面したとの情報もありました。
苦労されたようですが、作ってよかったと思える素晴らしい映画です。
bouryoku
次にご紹介するのは「リメンバー・ミー」。
同じタイトルでいくつか作品があるようですが、私が観たのはアレン・コールター監督、ロバート・パティンソン主演のものです。
兄を亡くしてから苦しみ続けている青年が、兄が死んだ時と同じ22歳になる日が近づくにつれ、さらに苦悩を深めている時、一人の女性と出会います。
あぁ、オーソドックスなラブストーリーか、と思いました。ここまでは。
登場人物は多くなく、ただ、それぞれがぴたっとはまっていて、キャラクターの輪郭線がはっきりとしています。
特に分からず屋の父親役なんて、サイテーのキャラクターを見事に演じています。
心を少し開くことや、幸せになってもいいんだということを、ロバート・パティンソン演じるタイラーが知っていき、変わっていくのを、我がことのように喜ばしく観ていました。
やがて、父親にも変化が現れ、めでだしめでだしと、私が心の中で呟いていた時、突如訪れた残酷な結末に、驚愕。
ここで、それ?
と思わず大声を上げてしまいました。
ネタバレになるので詳しいことを書けないのですが、のんびり観ていた私の脳天に一撃がきたとだけ、お知らせしておきましょう。
幸せの訪れを感じていたはずのタイラーとその家族。
その芽が根こそぎ奪われる瞬間を目にして、無常感で胸はいっぱいに。
こんなに後味の悪い結末でいいのかよとツッコみたいのは山々ですが、一方で「人生」とか「運命」が残酷なのも事実なんですよね。
とにもかくにも胸にガツンと衝撃をもたらす映画であることは間違いありません。
皆さんは、この2作品をどう受け止めますか?

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