雑誌の付録
- 2015年10月08日
仕事上様々な種類の雑誌を買います。
小学生向けのものから、オーバー60歳の男性向けの雑誌まで。
時にはボウリングや、バードウオッチングなどといった趣味に特化した雑誌も。
先日買ったのは、結婚式を検討中の女性向けの雑誌。
まぁ、びっくりしました。
なにがって、まずその厚さ。
昔、物の厚みを表現するのに「電話帳ぐらいの厚さ」という言葉がありました。
非常にぶ厚いことを言います。
それぐらい、電話帳は厚かったんですね。
久しぶりにこの表現を使いたくなりました。
片手で持つのはちょっと難しいほどの厚みの雑誌。
そこに結婚式場やウエディングドレスや、引き出物などの情報がびっしりと並んでいます。
大量の情報の中で、溺れそうになる花嫁候補がたくさんいるのではないかと心配するぐらいです。
次に驚いたのは付録。
付録のコンセプトの針が振り切れている。
それは、28点もの手作り弁当のキット。
たとえば、ふりかけシートなるものは、プラスティック製のこれをご飯の上にのせ、ふりかけをふればメッセージを書けるとあります。
この文字は「I LOVE YOU」。
うずらの卵を刺すと思しきピックの頭には、ハートのモチーフとその上に「LOVE」の文字。
オカズとオカズの間に挟むバランには、イラストが描かれていて、そこにはハートの模様がたくさん。
さらに「愛情こめてつくったよ」との手書き風の文字が印刷されています。
この文字の最後にもハートマーク。
さらに凄いのは、5種類のプラスティック製のメッセージカード。
これにはすでにコメントが印刷されている。
説明書きによれば、弁当と一緒に渡し、そのうち1枚を感想として空になった弁当箱と一緒に返してもらうというもの。
つまり、手作り弁当を受け取った彼用のメッセージカードなんですね。
返事まで彼女の方で用意しちゃうってところが、凄い。
5種類のうち1つは文字なしなので「好きな言葉を書きましょう」と、わざわざ説明書きにあるのも、すっげぇなと感心してしまいました。
すでに印刷されている言葉は「毎日がんばれるのは愛たっぷりお弁当のおかげ」や「星3つです!」など。
彼女の方が用意するカードなわけですから「今ひとつだったかな」なんてコメントは、当然用意されていないわけです。
ま、自由に書けるはずの無地のカードであっても、そうした気骨のあるコメントを記せる男はいないとは思いますが。
興味があるのは、こうした愛溢れる弁当が、フツーの弁当に変わるタイミング。
恐らく、こうしたラブリーな弁当も何年も続くわけじゃないでしょう。
ハートマークやLOVEの文字が少しずつ消えていき、やがて質実剛健といった弁当になるのでしょうか。
あるいは徐々にではなく、突然その日はやってくるのでしょうか。
そうした気持ちの変化を書いてみたいなぁなんて思います。