ワンピースのファスナーが
- 2016年08月11日
取材の依頼がありました。
そこでは私を撮影するといいます。
ちょっと前に買ったブランドモノのワンピースを着ることに。
セールで50%OFFになっていたのですが、それでも私にとっては高額だった品。
ケチな私はその値段を忘れることができず、汚してしまったらという恐怖でずっと未使用のままクローゼットの中で眠っていました。
今回いい機会だと着用し、撮影に臨みました。
終了後自宅に戻ると・・・部屋は常夏状態。
エアコンを予約セットするのを忘れて出掛けてしまったため、部屋の中はとても暑くなっています。
エアコンの吹き出し口の真下に立ち、冷風を頭から浴びて身体を冷やします。
ほぼ汗が引いたところで、ワンピースの背後に手を回し、ファスナーの小さな持ち手を上から摑みます。
持ち手を上から下ろし、ファスナーを下げていき、腕に限界を感じたところで一旦手を離します。
そして今度は腕を下から背後に回して、持ち手を摑もうとすると・・・摑めない。
そこで腕をもう一度上から背後に回して、持ち手を摑みもっと下げようとトライ。
が、下がらない。
エアコンの下から鏡のある洗面所に移動し、半身になって腕を下から背後へ回し、持ち手の位置を確認すると・・・遠い。
指先と持ち手の位置が、あまりに遠い。
右肘を左手で持ち上げるようにして、この距離を縮めようとしますが、全然届く感じがしない。
その場でぴょんと跳び上がってみたりもしましたが、跳んだ後で「なんでだ?」と自問自答。
なぜ上がったファスナーが下がらないのか・・・ぴっちぴちだから?
ネットで画像を見た時はそこそこゆったり目のワンピースと思ったのですが、購入後に試着してみるとかなりタイトな感じに。
布に余分なアキがないため、ワンピースを上げたり下げたりして、指が届く位置までズラすことができない。
腕を上から回したり、下から回したり、何度も何度も繰り返すうち・・・腕が疲れてしまい、気力も萎えていきます。
やがて誰かに頼む? とのアイデアが浮かんできます。
隣の駅の近くに住む友人が頭に浮かびますが、一家でグアムへ行っていることを思い出し「この大事な時にグアムなんかに行ってんじゃねぇよっ」と八つ当たり。
もう軽いパニックを起こしているので、まともな考えは浮かばない。
一生この服を着ることになるのでは?
とすると、これを着て風呂に入るのか?
いっそのことハサミで服を切ってしまえば、この苦しさから即解放される。
このままトライし続けて肩を脱臼してしまい、病院に行くことになって医者から「どうしましたか?」と聞かれたら、なんと答えたらいいのだろう。
・・・と、心配する場所を完全に間違えている事態に。
で、どうなったかというと、痛みを押して右肘を左手で持ち上げて、人差し指にやっと触れた持ち手をなんとかちょびっと下げてといった苦行を繰り返し、三十分かけてファスナーを下ろすことに成功しました。
その間鬼の形相で「ぐおぅ」と唸り続けていました。
新種の妖怪のようでした。
翌日腕が痛くて、まったく上がらなかったことも併せてお知らせしておきます。
高かったワンピースを着ることはもうないだろうと思うと、哀しいです。