子どもの頃夢中になったもの

  • 2017年11月06日

友人の子どもがまだ小さかった頃の話。
友人の家に遊びに行くと、子どもが私をじっと見つめてくる。
共通の話題がないので「〇〇君はなにが好きなの?」みたいな質問をする。
色々な答えが返ってきますが、男の子の場合「電車」である確率は結構高い。
これって、日本だけなんでしょうか?
海外にもいますかね。
電車に心を持っていかれちゃう少年って。
本を捲りながら説明してくれる。
「〇〇系の〇〇」と。
合ってるのかどうか全然わからないけど「すごーい」と褒めておく。


そういえば、女性の胸が好きという男の子もいました。
人懐っこくてすぐに抱き付く。
そして胸を触る。
将来が心配になるタイプ。
男女共通してアニメのヒーロー、ヒロインが好きというケースも多い。
決め台詞や、決めポーズを披露してくれるのですが、なんのことだか皆目わからない。
しかしここでも「すごーい」と褒めておく。

自分はどうだったのかと記憶を辿ると・・・「奥様は魔女」という海外テレビドラマが好きでした。
子ども向けではないテレビドラマだったのですが、私はすっかりはまりました。
あと、藤山寛美さんの松竹新喜劇の舞台中継をテレビで観るのも好きでした。
日曜日に放送されるこの舞台中継を殊の外楽しみにしていて、齧りつくように観ました。
当時私は5、6歳。
渋い女の子でした。

今では子どもたちはすっかり大きくなり、もう私が遊びに行っても、電車の名前を教えてくれたり、ヒロインの決めポーズを披露したりはしてくれません。
別の好きなものを見つけたようですが、それを説明してはくれません。
ちょっと寂しいので「〇〇君は昔はねぇ、こっちがうんざりするぐらい、私の膝の上で延々と電車の名前を挙げてたのよぉ」と昔話をして、青年に気まずい思いをさせてやる。
「私が帰ろうとすると、帰っちゃヤだと泣き叫んで大変だったのよぉ」と話を作って、更に恥ずかしくさせることもたまにあります。

文庫「僕とおじさんの朝ごはん」には少年が出てきます。
ケータリング業をしている男の息子です。
この少年が好きなものはアルミホイル。
パリパリしていて、なんか格好いいからというのが理由。
なにかを好きになった理由を言葉にするのは難しいですよね。
ただ惹かれた。
それだけなんですから。
どうしてと聞かれるので、後付けで理由を作り出している感じ。
アルミホイルを好きな少年は、父親の変化を察知します。
それはやがて親子の関係も変えていきます。
脇役ではありますが、いい味を出しているこの少年と、本の中で出会っていただきたいと思っています。

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