接客の難しさ
- 2018年08月09日
しばしば利用するホテルのラウンジ。
平凡な私ではスタッフたちの記憶に刻まれないのか「いつもご利用有り難うございます」といった感じがゼロ。
ちょっとよそよそしい。
私はそこではいつもダージリンを頼むのですが、当然それも覚えて貰っていないので、毎度毎度「レモンかミルクをお付けしましょうか?」と尋ねられる。
もしかしたら私を記憶していても、知らんぷりしているのかもしれない。
昔販売の仕事をしていた頃、お客さんが靴の修理を依頼してきました。
そうした時は受付票にお客さん自身で、名前や連絡先を書いて貰います。
ですが、私はその女性の名前を知っていた。
それまでに何度か別の修理や、商品を買って貰ったことがあって、そうした際に名前を目にしていたのです。
外国人と結婚されているようで、その名前は一回で覚えられるほどインパクトがあった。
それで私は知っているお客さんの名前を記入し、連絡先部分だけを書いて貰おうと受付票を差し出しました。
すでに名前の欄に自分の名前が書いてあるのを見たお客さんは、固まった。
そして「名前を憶えてくれていたのね」と言った後で、「離婚したの」と苦笑い。
やってもうた。
それから気まずい空気の中で接客を続けることとなりました。
同じ頃20代に見える女性客がいました。
小柄で華奢な感じの女性で、最初は同じ年頃の男性と一緒に来店。
しばらくすると40代ぐらいの男性と来店するように。
それから1年ほど経った頃彼女が連れ立って来たのは、60代と思しき男性。
付き合う男の年齢がどんどん上がっている。
男性の年齢が上がるにつれ、彼女が1回の来店で買って貰うモノも増えていく。
最初は靴1足を彼に買って貰って喜んでいた彼女でしたが、60代らしき男性には靴3足とバッグ2個を買って貰った時には、当然のようにしていました。
このお客さんに、フレンドリーな感じで「こんにちは」と言ってはいけないんだろうと、本能的に思う。
「いつも有り難うございます」といった感じを出してしまえば、前は誰と来たんだって話になってしまうかもしれない。
誰かに教わったわけじゃないけれど、「初めまして」といった体で接客するのが正解に近い気がする。
接客って難しい。
ホテルのラウンジのスタッフは、もしかしたら私のことを覚えているのかもしれないけれど、無難な「初めまして」作戦を選択しているのかも。
あーだこーた言わず「ダージリンをストレートで」と注文するようにいたします。