小説「総選挙ホテル」の文庫版の発売
- 2019年11月18日
小説「総選挙ホテル」の文庫版が、11月21日に発売になります。
電子書籍版も同日配信開始です。
傾きかけたホテル。
これまで様々なことに挑戦してきたものの、売り上げの減少を食い止められずにきました。
そこにやってきた門外漢の社長。
彼のアイデアは人事シャッフル。
さて、どうなりますか。
物語をお楽しみください。
昔、OLをしていた頃のこと。
会社では何度も組織変更が行われました。
1年に2回あった年も。
私の場合は職務は変わらなかったのですが、どこの部署に入れて貰えるのかが毎度違う。
だからしょっちゅう部署名が変わり、上司が変わり、名刺が変わる。
取引先の人に「名刺がまた新しくなったんですけど、渡しましたっけ?」と毎回尋ねる。
「20枚集めたらティッシュと交換ね」などとギャグを飛ばして、馬鹿馬鹿しさを笑いにするしかありませんでした。
何故このように頻繁に組織変更が必要だったのか。
売り上げが落ちていたからです。
絶好調であれば組織を変える必要はないので、現状をなんとかしなくてはと考える経営者が、手っ取り早く出来るのが組織変更だったんじゃないでしょうか。
この時に感じたのは「上は現場を知らない」ということでした。
この人はこういう仕事じゃなくて、こんな風な仕事の方がいいんじゃないの? と思う社員はたくさんいました。
でも上は、その人がもっている能力や個性をちゃんと把握せずに、年齢や性別のものさしだけで配置してしまう。
だから組織をなんど再編成しても会社は変わらない。
一度でいいから現場の社員に「この人事ってどう思う?」と聞いてくれたら・・・と思っていました。
毎日一緒に仕事をしている同僚だからこそ、それぞれの能力やポテンシャルに沿った人事配置が、出来るのではないかと考えていたからです。
こんな経験があったからでしょうか。
「総選挙ホテル」のプロットを考えていた時に、現場の人たちに人事権を渡してしまうといったアイデアが、自然と浮かびました。
そうなんです。
「総選挙ホテル」ではスタッフの配置を、スタッフ自らの投票で決めるのです。
さてさて、どうなりますか。
興味をもたれた方は本を手にお取りくださいませ。