新装版「嫌な女」が発売になります
- 2025年09月01日
小説「嫌な女」の新装版が9月10日に発売になります。
なにが変わったかといいますと、文字のサイズです。
以前の文庫版より文字が大きくなり、より読み易くなりました。
また装幀も新しいものになりました。
遠縁でありながらも、まったく違う性格の徹子と夏子。
2人の人生を描いています。
これを書き上げた時に「ふー」と太い息を吐き出したことを、鮮明に覚えています。
徹子と夏子の人生に伴走したような気持ちになっていたので、書き終えた時に「ついに見届けたぜ」といった思いに至ったようです。
昔の暮らしぶりを知るために、昭和時代の庶民生活を切り取った写真集を買ったり、年上の女性に昔流行したファッションなどを聞いたりしました。
そうした下調べにたっぷり時間を掛けてから執筆をスタート。
今、振り返れば、楽しい時間を過ごしました。
執筆中は楽しさとしんどさの両方を同時に感じます。
楽しさだけにすることは出来なくて、同時にしんどさも受け入れなくてはいけない。
執筆中はしんどさの方にばかり目が向きがちですが、書き終えてみれば楽しかったことが印象に残ります。
だからこそ、次の作品を書こうという気持ちになるのですが。
徹子と夏子は、その人生の中で様々な人物と関わりをもちます。
そうした人たちそれぞれには過去があり、事情がある。
こうした人たちと触れ合いながら、なにかを感じ、なにかを学んでいきます。
徹子と夏子がどんな境地に辿り着くのかを、この小説を読んで見届けていただけたら嬉しいです。