刑事コロンボ

  • 2011年07月21日

ピーター・フォーク氏の訃報を耳にして、とても哀しい気持ちになりました。

彼が主演した、テレビドラマシリース「刑事コロンボ」が大好きでした。
小学5、6年生の頃、NHKで毎週土曜日に放送されていて、それを観るのが楽しみでした。

当時の私はドリフのお笑い番組を観ていました。
ある時、クラスのオマセな男子生徒が、「お前、コロンボ観てないの? もしかして、まだドリフ観てんじゃないの?」と、別の男子生徒に話しているのが、耳に入ってきました。
ぎくっとしました。
観ちゃいけないのか? 皆は、もう別の方向へ進んでいるのか? と、幼い私の胸は波打ちます。
オマセな男子生徒は、コロンボを観てないのは、人間じゃないというぐらい、強気な発言を続けました。
なんだ、そのコロンボというのは――。
その時の私の、居心地の悪さは半端じゃありませんでした。
自宅に帰った私は、すぐに新聞のテレビ欄を開き、ドリフが放映されている時間の、他の局の番組をチェックしました。
ありました。左端に。
NHKが「刑事コロンボ」という番組を放送していました。
そうか。これか。
これは一度観てみないと。
そう決意し、その晩、テレビをつけて、1チャンネルに合わせました。
隣で母が「あれ? 今日はドリフじゃないの?」と疑問の声を上げた時には、「これからは、コロンボなんだよ」と、私はしったかぶりで答えたりしました。
そして、その日、初めて「刑事コロンボ」と対面し、衝撃を受けました。
とてつもなく、面白かったのです。
なぜ、今まで、この番組の存在に気が付かなかったのかと、悔しさまで込み上げてきました。
そして、オマセな男子生徒が「観てなきゃ、話になんない」と言った言葉が、よく理解できた瞬間でもありました。
それからは、毎週の「刑事コロンボ」の放送を楽しみするようになりました。
なんたって、最初に犯罪シーンが描かれるという斬新さに驚きます。その時、犯人の顔もしっかり映されます。つまり、誰が犯人かを推理する楽しみは、ないのです。そのかわり、ピーター・フォークが演じる刑事コロンボが、犯罪者に仕掛ける心理戦をたっぷり楽しめるのです。

放送が終了した時には、1つの時代が終わってしまったかのような感慨と、虚脱感を覚えたものでした。

それから、たくさんの年月が過ぎ、数年前に手に入れたのが、このDVD-BOXです。

「刑事コロンボ」のDVD-BOX

こちらは「新刑事コロンボ」

全作品をDVDで観られるというのは、なんて幸せなことでしょう。
そして、名作というのは、年月なんか関係なく、人を感動させてくれるものだと実感しました。
この「刑事コロンボ」は、ピーター・フォークという俳優の個性と魅力がなければ、成功しなかったでしょう。

ピーター・フォーク氏のご冥福をお祈りします。

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