カスタマーセンター

  • 2011年11月28日

以前、カスタマーセンターなるところへ電話をかけたことがあります。
買ったばかりの電気アンカが、充電できなくなってしまったのです。
不良品じゃないのと、怒りモード全開で電話をしたところ・・・あくまでも声の印象だけですが、なかなかのアダルティーな年頃と思われる女性が電話に出てきました。
電気アンカが故障したと私が言うや否や、「まぁ、それは大変。寒かったでしょう」と、同情心いっぱいの声。
このひと言で、私の戦闘心はくじけそうになります。
私が用意していた文句を思い出そうとしていると、「それじゃ、昨夜は寒くて、眠れなかったんじゃないですか? 申し訳ありませんでしたねぇ」と、言葉を重ねてきます。
本気ですまなさそうに思っているといった声音で。
完敗です。
もう、闘争意欲は完全に失ってしまいました。
気がつけば、「そうなんですよ」と、まるで知り合いに、愚痴っている感じに。
「すぐに、新しい物を送りますのでね。今日は無理なんですけど、明後日には、届けますから。今晩は、寒いけど、なるべくあったかくして、寝てくださいね」などと言われ、いつの間にか、いい人だぁ、などと思っている私。
電話を切った後には、ふむ、なかなかいいメーカーだ、などと満足している有様で。
クレームを、見事に処理したアダルティーな担当者に拍手。
コールセンターに、もっとアダルティーな女性を増やした方がいいんじゃないのかと、思った次第です。

 以前住んでいた街の蕎麦屋での話。

その日の私は風邪気味でした。
初めて入った蕎麦屋は、なかなか混んでいました。
席についた私は、飲み忘れてはいけないと、医者から貰っていた薬の袋をテーブルの上に。
注文を取りに来たのが、白い三角頭巾がよく似合うアダルティーな女性。
彼女が、お茶が入っていると思われる湯呑みをテーブルに置いた時、薬の袋にすぐに気付きました。
「薬、飲むの? だったら、水の方がいいわね」と言って、すぐに水の入ったグラスを持って来てくれました。「氷、入れてないけど、薬飲むんだったら、いらないわよね?」と尋ねられ、思わず「うん」と言ってしまいそうに。
初対面のはずが、なんだか親戚の家にでも来たような感じに。
帰りしな、「お大事にね」などと件の女性に声を掛けられ、またしても「うん」と言いそうになったものの、なんとか「はい」と答えました。
蕎麦の味はフツーでしたが、この女性が仕切っているこの店に、また来たい、いや、来なければならない、などと誓ってしまいたい気分でした。
結局、この蕎麦屋には、その後度々通うことに。
その街を離れるまで、蕎麦屋通いは続きました。
蕎麦の味に魅かれたのではなく、女性店員に魅かれて。

 人によって、性格がまちまちなのは、もちろんですが、年齢によって、突出してくる共通の個性というのもあるのではないでしょうか。
たとえば、アダルティーな女性に現れてくる、フレンドリーさとか、おせっかいさとか。
これを、ウザいと思うか、いい人だと思うかは、紙一重ではありますが、接客業に限っていえば、とても魅力的な才能のように感じます。

 様々な場で活躍する、アダルティーな女性の小説を書いてみたいなぁと思ったりしています。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2024 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.