文庫「WE LOVE ジジイ」発売
- 2011年12月12日
文庫「WE LOVE ジジイ」が発売になりました。
装丁の、マジメ可笑しいイラストが、結構気に入っています。
文庫発売にあたっては、改めて原稿のチェック作業をします。
執筆したのは、およそ4年も前のこと。
当時の気持ちに戻るのは、大変です。
では、どうするか――。
私は、音楽の力を借りることにしています。
1つの小説には、1枚の音楽CD(アルバム)を決めて、執筆する際には、永遠に聞き続けます。
毎日、毎日、同じ音楽CDを、半年近くも聞き続けるのですから、作品世界の中に、音楽の記憶もしっかりと刻まれます。
文庫の原稿をデスクに置き、まずするのは、執筆当時に聞いていた音楽CDをかけること。
たちまち、記憶が刺激され、作品世界へすんなりと入っていくことができます。
登場人物たちは、皆、私が創り出したもの。ですが、彼らに魂を吹き込む作業をしているうちに、私の思惑とは違う、独自の個性をまとっていきます。
書き進めていくうちに、いつしか、登場人物たちは勝手に動きだし、私はそれを見失わないよう、必死で追いかけるといった状態になります。
そして、時には、そんな人だとは思わなかったよと、登場人物に呆れたり、時には、しっかりしなさいと叱ったり・・・。
こうして、書き終えた時には、登場人物たちとは、知り合いのような感覚になっています。
4年ぶりに、音楽CDを聞きながら、「WE LOVE ジジイ」の登場人物たちと再会しました。
皆、元気そうで、安心しました。
地域活性化を目指し、町おこしに奮闘するマー坊。
胃の調子が悪い、岸川。
商売熱心な、きよバア。
口数が少な過ぎる、しげジイ。
緊張しいの、亀ジイ。
久しぶりに皆と会えて、ちょっと嬉しくなりました。
彼らと会ってみたいと思われた方がいらっしゃいましたら、文庫「WE LOVE ジジイ」をお手にお取り下さい。