コーヒー
- 2012年03月05日
中学生くらいまでは、コーヒーを美味しいとは感じませんでした。
苦いので、砂糖とミルクをたっぷり加えて、まったく違う飲み物にさせてから飲んだもんです。
それが、年を重ねていくにつれ、砂糖とミルクの量が減っていき、気が付けば、ブラックで飲めるようになっていました。
今では、1日3杯ほどのコーヒーを欠かしません。
旅先などで、美味しいコーヒーが飲めなかったりすると、それだけで、哀しくなったりするほど、その存在は、私にとって大きなもの。
コーヒーのせいでしょうか。
歯の裏に、ステインがつくのがはやく、こまめに歯科クリニックでクリーニングして貰わないと、「きったない歯の女」になってしまうのが、少々メンドーではありますが。
以前住んでいた街に、小さなコーヒー豆の専門店がありました。
こだわりのオッサンが1人でやっている店でした。
コーヒー豆を注文すると、そこから、豆を炒り出すのです。
結構待たされてしまうので、先に注文をしておき、スーパーで買い物を済ませ、帰りに寄って出来上がったコーヒー豆を受け取るようにしていました。
ある時のこと。
いつもは200gを頼んでいたのですが、ちょこちょこ買いに行くのもメンドーだったので、1kgくれと私が言ったところ・・・。
「なんで、そんなに?」とオッサン。
まさか、注文量に疑問を呈されるとは思ってもいなかった私は、言葉に詰まってしまいました。
すると、オッサンが「コーヒー豆はすぐに酸化する。酸化すれば、味が落ちる。だから、本当は1度に100gしか売りたくないんだが、それだと毎日来なくちゃいけないから大変だって、客が言うから、しかたなく200gで売っている。だが、それ以上の量は売らない」とのたまったのです。
私が愕然としていると、「200gでいいだろ?」とオッサンは決めつけ、豆を炒り始めました。
頑固過ぎる――。
ですが、確かにそこの豆は美味しくて、そんなこと言うんだったら、ほかで買うわと、思い切れないものが、その店にはありました。
いっそのこと、事情があって、昨日から10人家族になりましたと言ってみるか・・・とも考えましたが、この頑固一徹のオッサンに通用する噓とは思えず、交渉は断念し、200gで我慢することに。
結局、その街を引っ越すまでの6年間、オッサンが許してくれる、200gだけを毎回購入し続けました。
そんなオッサンですから、通販なんかしてくれるわけもなく、今は大阪のコーヒー豆専門店にネット注文して購入しています。
そこは、グラムの制限がないので、1度に1kgほどを、購入。
豆の銘柄は指定せず、その日に焙煎した豆を、適当に見つくろって、送ってもらう「お任せ」式で注文しているので、その都度、なにが来るか楽しみでもあります。
コーヒーを飲みながら、ふと、あのオッサン、元気かな? と思う日も。
頑固っぷりに磨きを掛けていて欲しいもんだと、思っています。