あれから1年

  • 2012年03月08日

間もなく、1年になりますね。

去年の3月11日、私は東京の自宅で仕事中でした。
大きな揺れを感じ、咄嗟にデスクの下に身を隠しました。
未だかつて経験したことのない激しい揺れが、恐ろしくて、恐ろしくて。
あぁ、この世が終わる。
こんな終わり方って、アリかよと、呟きました。
揺れが続く中、執筆中の原稿のことが、急に気になりました。
あれだけは。
そう思い、必死で、デスクから腕を伸ばして、仕舞ってあった引き出しから、USBメモリを取り出しました。
それを握りしめ、デスクの下で、ひたすら恐怖に耐えていると、花瓶が倒れて割れる音、棚からファイルが落ちる音、クローゼットの扉が開いて、中から物が飛び出してくる音・・・と、様々な音が襲ってきました。
やっと揺れが治まり、デスクからはい出そうとした時、それができないことに気付き、腰が抜けていたと知りました。
部屋を見回し、呆然としていたのは、どれくらいの間だったでしょう。
随分と時間が経ってから、情報を得なくてはと気付き、テレビを付けました。
その瞬間から、想像を絶する現実を目にすることになりました。
情報は、テレビを通して、次々に送られてくるのですが、心はもういっぱいで、受け付けません。
感覚を失ったような状態で、ただテレビの前に座っていました。

あの日から、何度、泣いたことでしょう。
怒ったり、遣る瀬無かったり、絶望したり、無力感に襲われたり・・・。
そんな気持ちの変化の中で、改めて心にしっかりと刻まれたのは、命の重さと大切さでした。
明日、なにがあるかわからない。
ならば、今日、できることを精一杯しておこう。
最近になって、ようやく、そんな風に思えるようになってきました。
私にできることといえば、小説を書くこと。
毎日、全力投球で小説を書いていこうと、思っています。

被災者の方たちの現実は、まだまだ過酷な日々の連続だろうと思います。
励ましの言葉と共に、皆さんの痛みに寄り添う気持ちを、持ち続けていくつもりでいることを、お伝えいたします。

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